「死ね」と言われたから「殺せ」と言い返した



カタンッ、と"それ"は彼女の足に当たる


「死ね? 嫌だよ、意味がわからない。

そんなにわたしの事が嫌ならわたしを殺せばいい。 ……それを使ってね」


青い柄の"カッターナイフ"を指差してわたしは言った


途端に二階堂蛍は顔をひきつらせた


「……何言ってんの? 意味わかんない」


「それはこっちの台詞。 なんで、わたしの人生をアンタ達に決められなきゃならないの?」


彼女に向けて近づいた


「安心して。 これを突き刺してここから落とせば自殺となるから」


刃を出したカッターナイフを彼女に持たせ、わたしの首に狙いを向けさせる


「自殺しろと言われても、わたしまだ死ぬ気は無いもの。 だからさ貴方の手を借りるの。 協力してくれるよね?」


「……っ」


彼女の手が震えているのが分かる


そんなに人を切るのが怖いんだ


「ほ、蛍ちゃんダメだよ! ひ、人殺しになっちゃうよ」


「うるさい! そんなに、死にたいならあたしがっ……手伝って、あげる」


首に刃が強く当たった