屋上から下を見たがその下はコンクリートだ


草がない落ちたら人溜まりもない


運が良くても骨折だけでは済まないだろう


「……なんで?」


とりあえず理解ができないため二階堂蛍に聞いた


「そんな事もわからないの? 皆、本田さんの存在が邪魔なの。 消えて欲しいって思っているの。 だから、今すぐ死んで欲しいの、分かる?」


「……」


「そこなら、すぐにあの世に行けるから。 誰にも迷惑をかけないから」


「……要するに自殺しろって事?」


「そうよ。 だからさっさと飛び降りて、そんで死ね」


取り巻き達が「しーね、しーね」と何度も言っている


彼女は今か今かとワクワクしている


「大丈夫、アンタが死んでも誰も悲しまないから」


「……」


わたしはスカートのポケットに手を入れて"あるもの"を取り出す


それを二階堂蛍の前に投げた