どうやら私は病院に運ばれたらしい。





目の前には真っ白な天井。






そして白いベッドに寝かされている。






共同部屋か。





いくつかのベッドのカーテンが閉められている。





すると、看護師さんがやってきた。




「結芽ちゃん…!」





その看護師さんは走って病院の先生を呼びに行ったらしい。





先生が来てすぐいろんな質問をされた。





正直よくわからなかったけどニコニコしといた。





「あなたは一週間眠っていたんだよ。」





え、そうなの?





あーあ、168時間損したなぁ






なんてバカなことを考えてると、お母さんとお父さんが駆け込んできた。





「結芽!」

「結芽、大丈夫か?」

「大丈夫だよ、そんな心配しなくても。」






どーせまた疲れを溜めすぎただけだもん。




そう思ってた。





でも、違ったんだね。






「結芽さん、そしてお父さんにお母さん、お話したいことがあります。」





私たちはドラマとかでよく見る場所に連れていかれた。





そこにはレントゲンが貼ってある。





心臓がうるさいほど音を立てた。





きっとなんともない。





このレントゲンもわざとらしく貼ってあるだけで私のモノじゃない。






そう言い聞かせてた。





「単刀直入に言わせていただきます。」





先生は私の目を真っ直ぐ見た。





「結芽さん、あなたは病気です。」





また心臓が大きく鳴る。





「なんの…病気なんですか…?」





先生はなんのタメもなく言った。






「心臓病です。」


「私が心臓病…」





お母さんが目に涙を浮かべた。





「ちょっと陸上やりすぎちゃった。
ごめんね、二人とも。
たかが心臓病でしょ?
そんなの治してまた陸上するわ 笑」





私はあえてそう明るく言った。





すぐに入院が必要らしく、個別の部屋に移動してプチ一人暮らしの始まり。






誰もいない部屋で泣いた。





なんで私なの?





もっと他に死にたい人いるじゃん。





そのあとに先生から言われた。





「あともう少し早期発見できていれば治ったかもしれませんが…」





つまり、言い換えればもう治らないってことだよね?




なんで死にたい人が健康で生きたくて生きたくて仕方ない人が病気なのさ。





神様なんていないでしょ。





そんな私の人生は今日を境に大きく変わったのだった。