そいつの名前は武田 恭介(たけだ きょうすけ)。 周りに親しまれやすい、いいやつ…だと思う。 恭介とは、中学から一緒にいる、世間的に言う、腐れ縁ってやつだろう。 彼は背も高く、女子からの視線を集めてしまうほどの整ったルックスの持ち主。 僕にはない良さがあって羨ましいと何度思ったか。 それくらい女子からの人気がある。 「…よし、こんなもんかな?」 さっきまで酷かった寝癖は随分となくなっていた。 僕は、洗面所からでて部屋へと戻る。