「だから厚化粧、やめたら?」
「えっとごめん、話の流れがつかめない…」
「正直、今の愛花の化粧なら
スッピンの方が可愛いよ」
「ん?」
「加恋さんは確かに可愛いけど、あれは研究に研究を重ねての顔だと思う」
美々はもう私が話を理解できてない事なんか無視なようで、諦めて美々の話に美々を傾ける。
「…はあ、」
「それは悪いことじゃないし、ていうかむしろ凄いことだと思うけどね」
「でも元の素材は愛花の方がいいと思うよ。
なのにその素材を化粧でぶち壊してどうするの」
ぶち壊しって……。
私、美々にそんな風に思われてたの?
ちょっとショック。
でも元の素材はいいって言われてるから褒められてる?一応。
「そんなに今のお化粧ひどい?」
「酷いっていうか勿体無い」
そうばっさりと言われ、近くにあった手鏡を取り自分の顔を見てみる。
確かに私はお化粧はバッチリする方が好きだ。
だから今の私の顔は厚化粧と言われても否定できない。
「好きなもの否定したくはないけど
勿体ないものはもったいない」
「…そっか。
じゃあちょっと変えてみようかな〜」
色々とやり直すのもいいかもしれない。
「うん、薄くね」
「がんばってみる」


