「ここから学校の行き方わかるか?
わからなければ俺か成瀬が送ってくけど」



「…ありがとう。でも大丈夫、携帯あるし」

やんわりと断り少し考える。


この二人が学校に来たら
騒ぎになること間違いないもん。




日向くんはパーフェクトイケメンだし
成瀬さんも中身はこんなだけど
外見はフェロモンだだ漏れの色男なんだから。



だからやっぱり学校には一人で行くべきだ。





「愛花ちゃん、これ食べてみ?美味しいよ」


急に目の前に差し出されたティラミス。


さっき日向くんが渡してたやつ?


って、あ!これ!!






「ちょっと成瀬さん!
これ私が私ように買ってきたやつですよ!」




「まあまあ、ほら食べな〜」




「はあ、いただきます」





差し出されたティラミスに近づきぱくり。




「美味しいですね!」




「だよね〜!ほら、もっといっぱい食べな」




ニコニコしながら容器ごと渡してくれた成瀬さんに


「ありがとうございます!」



お礼を言って
ティラミスをパクパク食べていく。



本当美味しい…。





幸せに浸っているとトントンと肩を叩かれた。


振り向いてみれば日向くんが物欲しそうな顔でティラミスと私を交互に見てくる。




あ、日向くん甘いもの好きだから
食べたいのかな?




「食べる?」




そう聞けば、日向くんの顔が
みるみるうちに緩んでいくのがわかった。






「スプーン持ってくるから待っててね」



「いらない」



「え?」