「ドアの前にいるのは愛花ちゃん…?」



眠そうなとろんとした成瀬さんの声。

寝起きの声もそんなに色っぽいんですね。

もう最強じゃないですか。





「はい、そうです」

「そっか〜起こしにきてくれてありがとね〜」


「とんでもないです」





成瀬さんも起きたことだし、リビングに戻ろうかな。


そう思い立ち去ろうとした時



「ああ、大変大変。
愛花ちゃ〜ん!ちょっと来て〜!」

焦ったような成瀬さんの声が部屋の中から聞こえてきて、慌てて扉を開ける。


え?!
何?何かあったの?!




「どうしましたか!?」



慌てて部屋の中に入ると、そこにはニコニコしながら布団をかぶってる成瀬さんが。

成瀬さんの周りを見てみるけれど特に変わった様子はなく、成瀬さん自身も普通だ。



…大変?どこが大変なの?
どこも大変じゃなさそうだけど…。






「こっちきて〜」



ひらひらと手招きしてくる
成瀬さんの元へ向かう。






「…何が大変なんですか?」


「うん、起きれないから手伝って?」






私に向かって両手を伸ばしてくる成瀬さん。





「…起きれない、?」



「そう。何か体重くて〜」



「…はあ、まあいいですけど」