「お前の部屋はここ。
まだ俺の荷物あるから後で片付けにくる」


そう言い、部屋を出て行った日向君を横目に見て、これから私が過ごすことになる部屋に視線を戻した。そこは無機質な部屋だった。




でもバラバラと本や紙、なんかの書類なんかが散らばっている。



荷物の整理でもしようかと思ったけれど、手元にあるのはお財布やポーチなどの小物だけで。
着替えとかそういうものはまだ取ってきてないから荷物の整理もなにもないやと、床に腰を下ろした。








この部屋にあるのは本棚と机だけ。



布団とか買ってこなくちゃなとそんなことを考えていると


「入るぞ」



日向君が布団を抱えて部屋に入ってきた。




「これ成瀬がいつも使ってるやつ。
今日はこれ使え。成瀬の使用済みで悪いな」






そう言いながら手際よく布団をひいてくれる日向君。



「ありがとう…」



布団をひくのを手伝っていると








「ねぇー、思ったんだけどさ。日向と俺が一緒の布団で寝るくらいなら俺が愛花ちゃんと寝ればよくなね?」







枕を抱えた成瀬さんがニコニコと部屋に入ってきた。


そのまま日向君がひいてる布団にダイブし



「ほら、愛花ちゃんおいで〜」




ひらひらと私に手招きしてくる始末。