「無視しないでよ〜」
諦めてくれるかと思ったのに、中々しつこい。
「そうだよ、ちょっと一緒に遊ぶだけじゃん?」
腕を掴まれ一人の男に抱き寄せられる。
その瞬間、悪寒が走った。
…タバコの匂いときつい香水の匂いがする。
「…いい加減にしてくれませんか!?」
限度ってもんがわからないの!?
「おお!強気な態度いいねえ」
さらにニヤニヤが増す二人組。
腕を掴んだ手を離すどころか、ますます力を強めてくる。
「このままいい所、行こっか」
突然腕を離されたと思ったら、今度は肩に手を添え歩き出す。
両側を二人に挟まれ身動きが取れない状態になってしまった。
「だから!離してってば!」
私がそう言ってもそんなこと御構い無しにずんずんと歩いていく。
…もうありったけの大声で叫ぼうか、そう思った時だった。


