9
台所から隣に続く部屋のドアを開ければ、そこはダイニングルームに続いていた。
長方形のテーブルが部屋の殆どを占める形で真ん中に置かれ、それはとても大きい。
飾り気のないシンプルな部屋だが、少し殺風景気味で味気ない。
ジュジュは少しでも見栄えをよくするために、裏庭に生えていた草花を採ってきて、適当なグラスに入れてそれを飾ってみた。
一つでは却ってこの大きなテーブルではみすぼらしく見えたので、いくつも作ってバランスよく配置する。
あとは料理の皿を置けばなんとか見栄えがよくなるだろうと、頭の中でイメージを膨らませていた。
お城では常に世話をされる方ではあるが、カーラの教えで炊事洗濯は一通りできるように教え込まれている。
料理も好きな事もあり、よく料理長の側に行っては観察して、その一流の腕を見よう見真似で自分なりに取り入れていた。
お城の秘伝のレシピはすでに覚えこみ、目の前の食材を見れば、何をどう料理すればいいか自然とアイデアがでてくる。
ジュジュは自分の世界に入り込むように、暫し料理に夢中になっていた。
その甲斐あって、味、見栄えどちらも自分でも中々上手くできたと、料理をテーブルに並べた後、自信に溢れるしっかりとした笑みがこぼれた。
案の定、男達が腹を空かせてダイニングルームに入って来た時は、素直に驚き、口々に「すごい」という感想が漏れていた。
「これ、ジュジュが作ったのかい?」
マスカートが料理とジュジュの顔を交互に見て、目をパチクリしていた。
「はい。でもバルジも手伝ってくれました」
「いや、私はジュジュの指示を受けただけだ」
バルジはぼそりと呟いた。
「うぉ、これは美味そう。あの食材がこんな上品になるなんて信じられない」
ムッカは手を伸ばし、一つまみしては、早速口に入れ、その味付けに目を見張っていた。
「行儀悪いな、ムッカは。でも、その気持ちもわからないではないな。これは本当においしそうだ。いつもは適当に一つの鍋で煮込むシチューばかりだもんな。これって、どこかの一流レストランみたい」
口の悪いカルマンが、非の打ち所がないと素直に褒めている。
台所から隣に続く部屋のドアを開ければ、そこはダイニングルームに続いていた。
長方形のテーブルが部屋の殆どを占める形で真ん中に置かれ、それはとても大きい。
飾り気のないシンプルな部屋だが、少し殺風景気味で味気ない。
ジュジュは少しでも見栄えをよくするために、裏庭に生えていた草花を採ってきて、適当なグラスに入れてそれを飾ってみた。
一つでは却ってこの大きなテーブルではみすぼらしく見えたので、いくつも作ってバランスよく配置する。
あとは料理の皿を置けばなんとか見栄えがよくなるだろうと、頭の中でイメージを膨らませていた。
お城では常に世話をされる方ではあるが、カーラの教えで炊事洗濯は一通りできるように教え込まれている。
料理も好きな事もあり、よく料理長の側に行っては観察して、その一流の腕を見よう見真似で自分なりに取り入れていた。
お城の秘伝のレシピはすでに覚えこみ、目の前の食材を見れば、何をどう料理すればいいか自然とアイデアがでてくる。
ジュジュは自分の世界に入り込むように、暫し料理に夢中になっていた。
その甲斐あって、味、見栄えどちらも自分でも中々上手くできたと、料理をテーブルに並べた後、自信に溢れるしっかりとした笑みがこぼれた。
案の定、男達が腹を空かせてダイニングルームに入って来た時は、素直に驚き、口々に「すごい」という感想が漏れていた。
「これ、ジュジュが作ったのかい?」
マスカートが料理とジュジュの顔を交互に見て、目をパチクリしていた。
「はい。でもバルジも手伝ってくれました」
「いや、私はジュジュの指示を受けただけだ」
バルジはぼそりと呟いた。
「うぉ、これは美味そう。あの食材がこんな上品になるなんて信じられない」
ムッカは手を伸ばし、一つまみしては、早速口に入れ、その味付けに目を見張っていた。
「行儀悪いな、ムッカは。でも、その気持ちもわからないではないな。これは本当においしそうだ。いつもは適当に一つの鍋で煮込むシチューばかりだもんな。これって、どこかの一流レストランみたい」
口の悪いカルマンが、非の打ち所がないと素直に褒めている。



