それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 ジュジュはソファに横たわるように降ろされると同時に、どこからかクッションが頭の下に滑り込んできた。

 火はついてなかったが、目の前には暖炉があり、それはかつておぼろげの中で見た光景と重なり、記憶と一致する。

 肖像画もちゃんと掛けられ、その絵は凛々しい姿の男性がキリリとした涼しい目を向けていた。

「この肖像画の男性は?」

「ああ、それはリーフさ。今よりも若いときのものさ。中々のハンサムだろ。目許が少し厳めしいけど、無理に表情を作ってるんだろうね。本人に似てるんだけど、実物とは若干感じが違う」

 それはとても精悍な男性で、髪の毛もこざっぱりと短くきっちりと整えられ、ここに居る4人の中で一番気品が溢れていた。

 どこまで正確に描けているか定かではないが、カルマンの言う通り確かにハンサムではあった。

 ジュジュは辺りを見回し、あの時助けて貰った場所と雰囲気が似ていることもあり、心ここにあらずで、過去の記憶の中にいた。

 ずっと抱いていたモンモンシューも、鼻をひくひくさせて、危険がないか確認していた。

 ジュジュがぼんやりとしている最中、モンモンシューは「グルルル」と突然低く唸り声を出すと、ジュジュははっとした。

 目の前にマスカートがやってきて、ジュジュの目線まで腰を落とした。

「おいおい、チビ、また噛むなよ」

 チビと呼ばれ、それが気に入らないとモンモンシューは威嚇する。

「モンモンシュー、やめなさい」

 ジュジュの声でしゅんとすぐに大人しくなった。

「へえ、君にかなり慣れてるんだ。だけど珍しい動物だね。まるでドラゴンのミニチュアだよ」

 マスカートはモンモンシューの首根っこを掴み、持ち上げた。

 本当はドラゴンだが、赤ちゃんでもこれほど小さくないので、他の生物と思っている様子だった。

「ほら、ちょっと邪魔だからどけて」

 無造作に放り投げた。

 モンモンシューは壁にぶつかりそうに飛ばされたが、自力で羽根をバタバタさせてぶつかる寸前で踏ん張った。

 そして部屋の中を飛び回りながら、扱いに抗議するが、ジュジュが首を振ってけん制したので無駄な努力で終わってしまった。

 納得行かないと、最後は拗ねて、不貞腐れていた。

「さてと、ジュジュ、これを飲むといい」

 マスカートから木のボールを手渡された。

 そこには緑色のどろどろした液体が怪しげに注がれていた。

「これは?」