それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?


 木々が密集している森の中で、突然空間が広がり、石造りの立派な屋敷が降って湧いたように現れた。

 空中を飛んでいた時、この屋敷に気がつかなかったのが不思議なくらい、それは突然目の前に出没したように見えた。

 もう少し高く飛んで、先を進んでいたら見えていたのかもしれないが、低く飛んでいたのが裏目に出ていたのかもしれない。

 その屋敷は二階建てで、中央に大きな扉を構え、両端には櫓(やぐら)のようなものがついて、そこから辺りを見下ろせるような造りになっている。

 小さなお城といっていいものだった。

 ジュジュは、何か思い出せないかとその屋敷をしっかりと見つめ、そうであって欲しい期待が、無意識にこの場所に違いないと決め付けそうになっていた。

 中に入ればはっきりと思い出すかもしれない。

 ドアが開いた時、ジュジュの胸はドキドキと高鳴った。

 マスカートが先頭を切って、中に入っていく。

 その後、ムッカも続いた。

「さてと、ここが僕達の屋敷さ」

 カルマンがにこやかに紹介すると、ジュジュを抱いたままドアを潜った。

 最後にバルジが入ったのか、後ろでドアを閉める音が響く。

 カルマンはジュジュを抱えながら、入り口の広がったホールから、その先の広間へ続く廊下へとゆっくりと進んで奥に入っていく。

 途中、右隣には二階へ上がる階段があり、それを横目にジュジュは屋敷の中を興奮気味に見つめていた。

「お城と比べたら結構こじんまりとしてるけど、中々住み心地はいいんだ」

 カルマンは小さい風に言うが、そこは充分な広さがあり、一般の家よりは遥かに大きく、ある程度の地位の高いものが住むような屋敷だった。

「あの…… 暖炉の部屋を見せてもらえませんか?」

 カルマンは、意図がわかったというように、笑顔を見せ、そしてジュジュを暖炉のあるリビングルームへと連れて行った。

 そこは皆が集まれるように、憩いの場として広々とした空間が広がっていた。