それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「君は僕に助けられたとしても、僕の顔を覚えてないみたいだね」

「それは……」

「僕も君と一緒で、助けたかもしれないけど、はっきりとは覚えてないだけかも。ここに居る連中は、皆、そんな感じだよ。とにかく名声さえ上がればいいってことで、積極的に助けるけど、その後の事はおかまいなしさ。皆自分の事で精一杯で、少しでも自分を大きく見せたくて顕示欲に捉われてるのさ。もちろん、この僕もね」

 カルマンは口数が多く、結構おしゃべりだった。

 ジュジュは暫く黙り込む。

 どう反応してよいのか、わからないよりも、あの時助けてくれた人物を探し出せるのか不安になってきた。

 何のために城を抜け出してきたのか、その意味がとても無駄のように思えてならなかった。

 ここにいる男達の誰もが、自分を助けてくれた候補者になるだけに、どうやってそれを見つけて良いのかわからない。

 見つけても、果たして自分を好きになってくれるかも定かじゃなくなった。

 誰もが、自分の想像していた男のイメージと違うし、自分でも誰だがわかった時、ほんとに好きなのかもわからなくなってきた。

 憧れをひたすら美化して、想像を膨らましていた自分の能天気な甘さ。

 一体ここに何をしに来たのだろうか。

 急に気持ちが萎えて、遠い過去を見つめるように視線が宙に浮く。

「クゥ」

 モンモンシューが心配そうにジュジュを見つめている。

 それを見てジュジュははっとした。

 モンモンシューを元に戻さなければならない。

 自分は後悔するだけで済んでも、モンモンシューを犠牲にしてしまった事は後始末つけなければならなかった。

 その矢を撃った人物は、まだ森の中にいるのだろうか。

「あの、他にも、皆さんみたいな方がいるんですか?」

「ああ、いるよ」

 カルマンからあっさりと答えが返ってきてジュジュは驚いた。

「えっ、その人はどこに?」

「今、旅行中で暫くしないと返ってこない」

「旅行中? 今、この森にはいないんですか?」