それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「しかしだ、そこに住んでる男性って、それって、私達の中の誰かかい?」

 マスカートが眉根を顰めて、訝しげに訊いた。

 皆に改めて視線を投げかけられて、ジュジュは困ってしまう。

 この中に、あの時助けてくれた人がいるのだろうか。

 それなら、自分の顔を覚えててもおかしくないのに、皆、初対面のようにジュジュを知らないでいる。

 こうなったら本当の事を言うしかない。

「実は、以前に助けて貰ったことがあって、その助けてくれた人を探してるんです」

「なんだ、そういうことか」

 ムッカが背筋を伸ばして粋がって言った。

「そういえば、なんかどこかで見たような気がする」

 好奇心に溢れるカルマンの目が見開いた。

「えっ、こ、この人が……」

 ジュジュもカルマンを見つめていた。

 なんだか思ってた人と違う感じだが、あの時は意識が朦朧として、目も耳も正常に働いてなかっただけに、事実は想像と異なっても仕方がない。

「ああ、私達は幾度と、この森に迷い込んで、オーガに追われる人達を助けてきた。沢山助けすぎて、一々覚えてないが、その時に屋敷に入れた者も確かにいた」

 マスカートは、この中で一番リーダーらしく振舞い、ジュジュの事を思い出そうと目を瞑った。

「だから俺達は勇者であり、英雄なんだよな。唯一オーガに立ち向かっては、人々を救う。そういう目的でここに住んでる訳だし」

 ムッカが腰の剣を抜いて、自慢するようにそれを空高く掲げた。

 ジュジュはわからなくなってきた。

 あの時、助けてくれたのは一人じゃなかったのだろうか。

 だけど、自分を抱えて、薬を飲ませてくれた人はこの中に居る?

 マスカート、ムッカ、カルマンは先ほどから色々話してるが、バルジだけは無口に一言も喋ろうとしなかった。

 何も言わないだけに、真実を知ってそうな気もする。

 ジュジュはバルジに視線を向けた。