それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「あの、さっき、その弓で何かを撃ちましたか?」

 男二人は顔を見合わせ、益々不可解な顔をしてから、ジュジュを再び見上げた。

「ここは私達のテリトリーだ。ここで狩りをする事は君にはとやかく言われたくないが」

 落ち着いた方が言った。

「だから、その、そういう意味じゃなくて、先ほど何かに向かって矢を放したかどうかが知りたいんです」

「私は、まだ矢を使ってないが……」

 不思議になりながらも、ジュジュの質問に答え、そしてイライラしている男の方を見た。

「俺も、まだ矢は放ってないぜ」

 二人は、訳がわからないと網にかかったジュジュを見ていた。

 この二人は弓矢を手にしてるが、モンモンシューを撃っていない。

 てっきりこの二人のうちどちらかだと思っていただけに、ジュジュも訝しげになっていた。

 しかし、自分が罠にかかって、木の枝にぶら下がってるのに、それを助けようともしないこの男達二人がなんだか怖い。

 常にみんなからチヤホヤされ、失礼な態度など取られた事がなかっただけに、ジュジュは困惑していた。

 男達二人も、獲物だと思っていたのに、女の子がひっかかっているのが納得できず、気持ちの整理がつかないまま、暫く何も手につかずに突っ立っているだけだった。

 そこに森の奥から声がした。

「おーい、皆どこに居るんだ?」

「こっちだ!」

 イライラしていた男が声を張り上げると、もう一人森の奥から現れた。

「なんか捕まえたのか?」

 弾んだ声でやってくるが、ジュジュを見て、この男も動きが止まった。

「何、これ?」

 網に包まれぶら下がってるジュジュの周りをぐるぐるとしながら、目を見張ってじろじろと見ていた。

 この男は腰に剣を掲げているだけで、弓矢は持っていなかった。

 幾分、他の二人よりもあどけなく、敵意は感じられない。

 ただ、びっくりしてジュジュを観察していた。

 そして、もう一人、ぬぼっと静かに男が現れた。

 その男はジュジュを見ても何も感情を表さずに、控えめに皆に加わっている。

 体は他の三人の男と比べれば、横に大きいが、太っているというより、筋肉質っぽくがっちりしていた。

 格闘技をさせれば素手で戦えるような強さを備え持った体に見えるが、それとは対照的にどうも消極的で何も言わない。

 この男も背中に斧を提げているだけで、弓矢は持っていなかった。