3
前夜に上手くお城を抜け出したジュジュは、心細くなりながらも心に秘めた思いを胸に抱いて森を駆けていた。
何も思い立って抜け出してきたわけではない。
早くから準備を進め、その手伝いをしてくれるものもいた。
この王国を出るには欠かせない援助だった。
暗闇の森を抜ければ、そこは月明かりに照らされた草原が広がっていた。
そこで大きな黒い岩が不自然に陣取っていたが、ジュジュが近づくとそこから長い首が現れ、ゆったりと夜空に向かって持ち上げられた。
「モンモンシュー」
ジュジュが呼べば、「キー」という高い音が響き、その大きな塊がムクリと動いた。
大きなその塊は、伸びをするかのように羽をひろげ、体をほぐした。
そこをめがけてジュジュは飛び込んで、手を広げてもまだ足りない大きな体ながら、愛情をこめて抱きしめようとする。
大きい塊はそれに応えようとして、顔をジュジュに近づけ擦り擦りとこすりつけた。
月に照らされた光の中で、種別を越えた友情がさらに輝きを増している。
ドラゴンと王女。
まるで一枚の絵になるような光景だった。
「とうとうこの日が来たわ」
「クー」
喉から優しく響く音は、ジュジュの門出を祝っているようだった。
言葉が違うのに、お互いを理解し合える気持ちの繋がりが、そこにあった。
前夜に上手くお城を抜け出したジュジュは、心細くなりながらも心に秘めた思いを胸に抱いて森を駆けていた。
何も思い立って抜け出してきたわけではない。
早くから準備を進め、その手伝いをしてくれるものもいた。
この王国を出るには欠かせない援助だった。
暗闇の森を抜ければ、そこは月明かりに照らされた草原が広がっていた。
そこで大きな黒い岩が不自然に陣取っていたが、ジュジュが近づくとそこから長い首が現れ、ゆったりと夜空に向かって持ち上げられた。
「モンモンシュー」
ジュジュが呼べば、「キー」という高い音が響き、その大きな塊がムクリと動いた。
大きなその塊は、伸びをするかのように羽をひろげ、体をほぐした。
そこをめがけてジュジュは飛び込んで、手を広げてもまだ足りない大きな体ながら、愛情をこめて抱きしめようとする。
大きい塊はそれに応えようとして、顔をジュジュに近づけ擦り擦りとこすりつけた。
月に照らされた光の中で、種別を越えた友情がさらに輝きを増している。
ドラゴンと王女。
まるで一枚の絵になるような光景だった。
「とうとうこの日が来たわ」
「クー」
喉から優しく響く音は、ジュジュの門出を祝っているようだった。
言葉が違うのに、お互いを理解し合える気持ちの繋がりが、そこにあった。



