それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「ボケてなどおらぬ。私はなんと呼ばれていても構わない。恐れられる事もまた自分を大きく見せる力となる。それに、実際私は母の血を引いて魔術を使えるのも事実だ」

「そう、あなたは全てにおいて最強なの。だから高見を目指さなくては。力ずくでも王女を必ず手に入れなさい。そして見返すように世間をあっと驚かすのよ。誰も楯突けないようにね」

「エボニーの言いたい事はわかっている。しかし……」

「何を怖気ついてるのよ。あなただってこの話に食いついたでしょ」

「そうだが、私は……」

 頼りない弟に苛立ったエボニーは、つい手が出てしまい、セイボルの背中をパシッと叩いた。

「とにかく、しっかりしなさい! そして王女を一刻も早く見つけなさい。王女の顔はわかってるでしょ。私が王女のスケッチ画を見せたことあるんだから」

「わかったって」

 セイボルは姉の気迫に負け、顔を歪ませ渋々としていた。

 そして、木の葉っぱを一枚つまんで強く引っ張り、それを宙に放り投げる。

 それは、くるくると踊るように虚空で回った。

 人差し指を額に当て、目を細めて神経を集中した時、その葉っぱは突然煙を出し、ぱっとはじけるように炎が現れると、それは流れるように一定方向へと消えて行った。

「何がわかったの?」