それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?


 女王と殿下は詳しい話が聞きたいと、プライベートルームにグェンを呼び寄せた。

 グェンは付き添いと一緒にやってきたが、付き添いは下がることを命じられ、グェンだけが二人の前に呼ばれた。

 グェンは跪(ひざまず)き、頭を垂れて、震えていた。

「何も怖がる事はないわ。顔を上げなさい」

 優しく女王に命じられ、恐る恐る顔を上げれば、女王は慈愛深く笑みを向けていた。

「正直に何があったか全てを話して欲しいの。ジュジュのことだからきっとこれには訳があるはず」

 そこには母親としての女王の姿があり、その側で娘の事を心配している父親の姿もあった。

 その様子を見てしまうと、黙っていることができず、グェンは一部始終を話した。

 それを聞いたとたん、女王も殿下もどこかほっとして肩の力が抜け、そして顔を見合わせてクスクスと笑い出した。

「あの子は誰に似たんでしょうね」

 女王はそういうと、側に居た自分の夫の手を握った。
 
 二人は全てを受け入れた上で、ジュジュの取った行動に怒る事はなかった。