それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 ジュジュがいない事を、その両親である女王陛下と王配殿下に誰が伝えるか、それはカーラしかできないと、皆一斉にカーラにその責任を押し付けた。

 カーラだけが顔色一つ変えずに冷静でいられることが、頼もしくもあり、不自然でもあり、不気味でもあった。

 教師という役職柄、無理に冷静のフリをしているのではと疑って見ているものもいる。

 少なくとも取り乱しているエボニーにとって、カーラの泰然自若な態度は鼻についていた。

 カーラは一人静かに廊下を進み、パーティ会場となっている大ホールへ向かう。

 その先の廊下の角を曲がったところで、誰もいない事を確認すると、ふっと息が漏れていた。

 そして口元に手を当て、空気が漏れるようにクククと笑って、それを堪えるのに肩を震わしている。

 カーラをよく知るものが見れば、その態度は似つかわしくなかったが、カーラはこの事態にあまり困ってない事は確かだった。

「さて、なんとご報告すればよいものか」

 その時の驚きを楽しむように、カーラは堂々と入り口のドアを開けた。