この天空の王国は、この世界を支配する力を持つ絶対的な存在。

 常に平和で、全てに恵まれ、そこは神々が住む国と言われるほどに崇められた場所だった。

 この国では、代々この世を平和に導く特別な力を宿すものが生まれ、ジュネッタージュ王女もその能力を持つ一人だった。

 その力とは、この空を支配するドラゴンと唯一心を通わせることができ、ドラゴンを意のままに操る力の事。

 知能が高く、体も大きく、そして何より空を飛べる巨大な生物、ドラゴンは、この世では驚異的で、人間が最も恐れる存在である。

 そのドラゴンを支配できるのが、この天空の王国の者達だけとなると、人々は平伏し、崇めるしかない。

 嫌われでもしたら、ドラゴンを送り込まれ滅ぼされる事にもなりかねなかった。