それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 先ほどまで恐れ多いことをして恐怖に慄いていた気持ちが不思議と払拭され、やらなければならない使命に燃えるようだった。

 カーラはただ厳しいだけじゃなく、その状況をすぐに飲み込み、一番いい方法を導き出している。

 起こってしまったものは仕方がないと言ったのは、すでに先を読んで行動しているからだった。

 ジュジュもきっとカーラの教えがその先に必ず役立つと知っていたから、厳しくとも耐えられたのに違いない。

 ジュジュが感じ取っていたカーラの事が、グェンにもわかるような気がした。

 グェンはカーラを見つめ返し、無言ながらも目で訴える。

 ──あなたはもしかしてこうなることをわかっていたのでは?

 それが通じたのか、カーラの口元が微かに動いて、それが微笑んでいるようにグェンは思えた。

 しかし、それは自分が心で思いこんでそう見えただけかもしれなかった。

 実際、カーラの真意を確かめる事はできなかったが、ジュジュのためにもグェンはこの一年間影武者になろうと覚悟を決めた。

 ジュジュがこの城を去った理由をエボニーに問われたが、グェンはその理由は言わない方がいいと判断し、何もわからないままを突き通す。

 必ず戻ってくるのを強調するために、一年後に戻ってくる約束を交わしたことだけは伝えていた。

 全てが無事に終わることを願って、ジュジュの城の脱走の理由は誰にも明かさなかった。

 しかし、勘のいい者にはすでに気がついている様子だった。