それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 それを見送り、ジュジュは身を引き締めた。

 久しぶりに帰るお城はなんだか緊張する。

 風が吹く草原を、ずんずんと力強く進み、そして段々それが早くなり、最後は力いっぱい走っていた。

 お城へ続く林を抜け、そして何人かの人々が元気に走ってくる女の子の姿を不思議そうにみて働いていた手を休める。

 ジュジュは会う人、会う人に「ただいま」と挨拶をし、人々は何事かとその様子を見に集まってきた。

 その中にエボニーがいた。

 エボニーはジュジュの姿を見て驚き、前に居た人を掻き分けて、すぐさま走りよった。

「ジュジュ様!」

「ただいま! エボニー」

 ジュジュはエボニーの胸に激しくぶつかるように飛び込み、エボニーはそれをしっかりと掴むように強く抱きしめた。

「今までどこにいたんですか。心配しましたよ。よくぞ、ご無事で」

「エボニーのお蔭で、とっても楽しかったわ」

「私のお蔭? 私何もしてませんが」

「嘘! 陰謀を企んだでしょ」

 言い方は意地悪だが、ジュジュは満面の笑みを浮かべていた。

「陰謀?」

「私、黒魔術を操る殿方に心を奪われましたの」

「えっ? ええー! それって、それって」

 ジュジュはそれ以上は教えなかった。

 エボニーはどう反応していいのかわからないで、困惑している。

 その様子をジュジュはいたずらを仕掛けて成功したように嬉しそうに笑っていた。

「この陰謀は誰にもいいませんからね。安心してね、エボニー」

「あっ、ジュジュ様!」

 ジュジュは走り去っていく。

 エボニーはほっとしたような、面映いような、複雑な気持ちでジュジュの後姿を見ていた。

「セイボル、本当にジュジュ様を手にしたのね……」

 エボニーはなんだかおかしくなって笑いが徐々にこみ上げる。

 最後はお腹を抱えて笑い転げていた。