「これ、ジュジュじゃないか。なんでこれがここに」

 マスカートが驚いた。

「やっぱりこれジュジュだよね。僕、この絵を見た事があったんだ。リーフ、いや、今はセイボルか、そのセイボルが、これをここへ運ぶ途中だったのかもしれないけど、廊下で手元から落ちたのを、僕はちらっと見たんだ。だからジュジュを見たとき初めて会った気がしなかった」

「なんて生き生きした笑顔でかわいいんだ。こんなの毎日見てたら、惚れるぜ」

 ムッカはセイボルに対して肘鉄をくらわしたい気分だった。

「でもこれ、プリンセス ジュネッタージュってここに書いてないか」

 マスカートが目を凝らしていた。

「あれ、僕言わなかったっけ。ジュジュは天空の国の王女様だよ」

「えっ!」

 マスカートとムッカは驚いていた。

 バルジが驚いてないのはすでに知っていたことを表していた。

「そうだ、チビ、ちょっとおいで」

 カルマンが呼ぶと、モンモンシューは訝しげな顔をして近づいた。

「ごめんごめん。もう僕は悪いことしないから安心して。それより、元の体に戻さないとな」

 「カルマンどういうことだ?」とマスカート。

「チビは本当はドラゴンなんだ。僕が偶然魔術でこんな風にしてしまったんだ」

「えっ、ドラゴン?! このチビが? 一体本当はどれくらいの大きさなんだ」

 ムッカが顔を近づけると、モンモンシューは胸を突き出して得意げになっていた。

「でもチビはこの方がいいと思うんだけどね。大きくなったら一緒に過ごせなくなるのがさみしいよ」

 カルマンが、モンモンシューを抱き上げ、顔をくっつけてすりすりする。

「モキュー」

 モンモンシューは複雑な気持ちになって首を傾げていた。