カルマンが馬に乗って屋敷に戻れば、皆から非難轟々だった。

 カルマンが戻ってきたことで、ラジーはこれ以上のトラブルはごめんだと、さっさと屋敷を去っていった。

 その後、カルマンは自分が魔術師だという事を暴露し、年老いたリーフの事を伝えた。

 最後に皆に一生をかけて償うからと許しを請うた。

 年老いたリーフの話が出たところで、バルジがこの屋敷の秘密をみんなに教えた。

 自分の父親がオーガであるという事も包み隠さず話した。

「そっか、そういうことだったのか。でもバルジはみんなの中で一番誠実でできた人間だ。親が出来た人だからだと私は思う」

 マスカートが言った。

「バルジはバルジだ。俺にとっては友達にかわらないぜ」

 ムッカは握手を求め、変わらない友情を求めていた。

「バルジ、なんかかっこいいな。僕と組めば最強のコンビになりそう」

「カルマン、お前全然反省してないだろ」

 ムッカに頭をぺちっと叩かれ、カルマンは全然違う方向を見て「叩かないで」と言った。

「おいおい、俺はこっちだ」

「だって見えないんだもん。ウェーン」

「このまま泣かれたらうるさくて仕方がないぜ、マスカート薬草作ってやれよ」

「ムッカは僕の事許してくれるの?」

「許すも何も、本物のリーフがお前を抹殺しなかったという事は、やっぱりそういうことなんだろ」

「ありがとう、ムッカ」

 カルマンは抱きつこうとするが、ムッカに頭を押さえられてその場でじたばたしていた。