それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「えっ、どうしてこれがここにあるんだ」

 マスカートもカルマンと同じように、あるものに反応していた。

 モンモンシューがマスカートの側に近寄り、カルマンが地下の扉から逃げたことを伝えると、マスカートはその扉を開けた。

「カルマン! 聞こえるか。一体何を企んでいるんだ。戻って来い」

 マスカートが叫んでも、冷たい風が吹き上がるだけで、返事はなかった。

 もう一度、そこにあったアレを見てから、マスカートはリーフの所へと戻った。

 すでにムッカとラジーが戻ってきており、ラジーが涙と鼻水を垂らしながらうるさいほどに謝罪している。

「その謝罪は傷口が治ってから聞かせてもらう。そんなにうるさくされては、傷が疼く」

 リーフは迷惑がっていた。

 まだ予断を許さないがバルジの適切な処置で、今のところリーフの容態は安定していた。

 このまま安静にしていれば、傷口もいつかは塞がりそうだった。

 場所も燃え盛る炎の暖炉の前に移動させられ、リーフはソファーの上で毛布に包まっていた。

 時々傷が痛むのか、顔を歪ませている。

 マスカートは痛みが緩和する薬草を煎じて、それを与えながら質問した。

「なあ、リーフ、カルマンは何が目的だったんだ。書斎には何があったというんだ」

 アレと隠し扉の事は敢えて言わなかった。

「それはカルマンから直接聞くことだ。それよりも今はどこにいるかだ」

「カルマンは自分の小屋を持っている。多分そこだと思う」

 ラジーが口をはさんだ。

 そこで怪我の手当てをしてもらったこと、その部屋には変なものが一杯あった事も話した。

 ジュジュはその話を聞いて、いつかカルマンから手渡された小屋を見つける鍵の事を思い出した。

「こう、暗くては見つかるものも見つからなさそうだ。明日案内してくれないか、ラジー」

 マスカートが言った。

「今度という今度は、冗談では済ませられないぜ。カルマンの奴、思い知らせてやる」

 ムッカは怒りを露にしていた。

 ジュジュは見つけたところで、カルマンが反省するとも思わないし、頭ごなしに怒るだけではカルマンは反発するだけで、何の解決にもならないと思っていた。

 みんながカルマンを見つける前に、ジュジュが先に見つけて説得させ、そして自ら謝罪させるように仕向けないと、カルマンは責められて折れる性格ではない。

 このままでは取り返しのつかないことになりそうでジュジュは不安になった。

 ソファーではマスカートの薬が効いて、リーフが寝息を立てて寝ている。

 過去に自分を助けてくれた人。

 今こそその恩を返す時だとジュジュは思う。

 思い焦がれてきた恋に執着するつもりは、この時すでになくなっていた。