それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「セイボルっていつもこんな事してるの?」

「いや、そうではないのだが。今日はたまたまだ」

「でも、人の心を操る事はいつもするの?」

「えっ、いや、私はそんな魔術は滅多に使わない。でも悲しみを和らげたり、楽しさを引き出して笑わせたりする時に少しだけ魔術でずるをするかもしれない」

「他にはどんな時に魔術を使うの?」

「それは、どうしても必要に駆られたときだけだ。魔術は自分の欲望を叶える為に使ってはいけないのが、一応魔術界の決まりとなってる。多少の大目はあるのだが、あまりに酷い使い方をすれば、魔術協会から危険人物と見なされて抹殺される恐れもある」

「なんだかとてつもなく大きな組織みたいね」

「秩序を守るためにはそれは必要だと思う。悪い魔術師が居れば、世の中は狂ってしまう」

「それじゃ、モンモンシューに魔術をかけた人が、表に出てきたらどうするの。なんだか怖い魔術を使いそう」

「今のところ、隠れている様子だが、死をもたらす魔術が使えるのなら、それは脅威的で魔術協会は動くかもしれない。だが、動いた時にはすでに手遅れだろう。そんな恐ろしい魔術に誰も立ち向かえるはずがない。願わくはそんな事にならないで欲しいが」

「あら、立ち向かえる者がいるじゃない」

「えっ?」

「それは私でしょ? 違った?」

「あっ、そうか。魔術を弾く君なら、そうなるか」

「私、モンモンシューを元に戻すためにも戦うわ」

「それは逞しい」

 話をしているうちに、キラキラしていたイルミネーションは段々とその力が弱まり、消え行きかけていた。

「あっ、折角の光が消えちゃう」

「仕方がないさ。ほんの一瞬の幻想だからね。しかし、私はこの美しい光景を生かしきれなかったようだ」

「いいえ、充分楽しんだわ」

 その時、ジュジュがあくびをしてしまった。

「あっ、ごめんなさい」

「いや、夜も遅いし、疲れているから仕方がない。夜中に呼び出してすまなかった。さあ、部屋に戻ってゆっくりお休み」

「ええ、そうするわ。でも、とても素敵な夜だったわ。ありがとう、セイボル」

 セイボルはこの時、お礼の頬のキスを期待したが、それすらなく、ジュジュはお屋敷に向かって走っていく。

 また思うように雰囲気を作れなかったことに少しがっかりした。

 ジュジュが部屋に入るのを見届けた後、セイボルも戻るべき場所へ帰ろうとする。

 月はこの時、雲に覆われて、その光を遮った。

 辺りが急に闇に閉ざされたのを待ってたかのように、何者かに突然呼び止められた。

「セイボル、屋敷の付近で何をしている」

 振り返ればそこにリーフが居た。