それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 月の光に照らされたセイボルの長い髪は、白っぽく光っていた。

 その髪型が違うだけで、リーフとそっくりなその姿は、何度見てもジュジュは惑わされる。

 自分がセイボルと喋ってるのか、リーフと喋ってるのか、その時は識別できても、時間が経つと混ぜこぜになってしまう。

「どうしたんだい。そんなに私を見つめて」

「何が違うんだろうって思って」

「えっ、違うって何が?」

「あっ、その、別に深い意味は……」

「もしかして、ジュジュは私を見てリーフと比べているのか?」

 少しトーンが落ちたその声は、明らかにいいように感じていないのが伝わる。

「ご、ごめんなさい。そんなつもりじゃ」

 セイボルはか細い息を吐いた。

「仕方がない。顔が同じなんだから。それで、ジュジュはどっちがいいと思うんだ?」

「えっ、それは……」

 ジュジュはどうしても答えられず、困り果てた。

「ごめん、少し大人げなかった。今はリーフの事は考えないで、私を見て欲しい。月夜の散歩でもしないか」

 セイボルから手を出され、ジュジュは素直に受け入れた。

 軽く手の甲にキスをされ、少しドキッとしてしまう。

 お城では当たり前の挨拶で慣れきっているはずが、セイボルがすると頬がぽっと温かくなる。

 恥らってモジモジしていると、セイボルが森の中へ誘うように歩き出した。

 魔法にでも掛かったように、月の光に照らされたその森は、仄かに青白く光を出して幻想的だった。

 セイボルが手を振り上げれば、銀の粉がキラキラと舞い散った。

 その粉に触れた木々や草はダイヤモンドのように光りだした。

 辺り一面がイルミネーションに包まれる。

「なんて美しいの」

「今宵は月夜。月の光は本来の持つ力を解放し、表に映し出してくれる。それは儚い夢のように、ひと時のイリュージョン」

 ジュジュはその光に酔いしれた。

 ジュジュの頭上にも粉雪のように銀の粉が舞っている。

「私も輝くのかしら?」

「いや、やっぱりジュジュには全く効いてないみたいだ。この魔術は心を奪われて酔いしれる効果があるんだが」

「あら、それなら効いてるわ。とても美しい光景に、夢中になってるわ」

「いや、そうではなくて、目の前の人物に対してなんだが」

「えっ?」

「ほら、私には夢中になってない」

「あっ……」

 セイボルはここでもクスクスと笑い出し、何を思ったか、突然ヤケクソ気分で動きが大雑把に荒れた。

 大胆なその大降りで、めちゃくちゃに銀の粉を撒き散らした。

「ジュジュが楽しんでくれるなら、それでいい。出血大サービスだ」

 当たり一面が煌き、眩い。

 ジュジュは嬉しくなって、きらめく光と戯れるようにセイボルの周りをくるくると回る。

 全てを撒き散らしたあと、大げさに動いたせいで疲れて腕がだるそうにセイボルは前屈みになっていた。

 ジュジュはセイボルの前に立ち、ニコっと微笑んだ。