それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「おい、何してんだ、早く来い」

「だって、人食い植物や恐ろしい動物がいるんだろ」

「そんなの嘘に決まってる。ムッカはハッタリをかましただけだ。早く来い」

 ラジーは嫌がる手下を無理やり引っ張って行ってしまった。

 姿が見えなくなったところで、カルマンがムッカの前に立った。

「あーあ、僕に切られちゃって。馬鹿だなムッカは」

「お前な、もう少しで勇者の名前に泥をぬるところだったんだぞ。一般人を攻撃してどうするつもりだったんだ」

「あんなのどうせ雑魚さ。この世には必要ない人間さ」

 カルマンの悪ぶった若者に対する見下しは今に始まったことではないが、暴言を吐かれて、簡単に剣を振りかざした事は大問題だった。

 ムッカはマスカートと顔を見合わせ、その懸念をお互い認識していた。

 バルジは腰に掲げてた手ぬぐいを手に取り、そしてカルマンの傷口を応急処置する。

「すまない、バルジ」

「大した傷ではない。だが、ジュジュが心配する」

 ムッカは縛られた腕を見て「そうだな」と小さく呟いた。

 その時、森の奥から悲鳴が聞こえ、周りの小動物たちが一斉に騒ぎ出し、緊張感が走った。

 先ほどのラジーの子分たちの一人が腕に傷を負いながら走って逃げてくる。

「助けてくれ、オーガだ。オーガが出た」

 その男は怯えきって、腰が抜けてしまった。

 ムッカとマスカートは同時に、バルジに真剣な眼差しを向けた。

 バルジは「うむ」と頷いてそれに応えた。

「ほら、言わんこっちゃないのに。だけど本物のオーガみたいだね」

 カルマンは暢気に笑みを浮かべては、いい気味だと笑っていた。

「ムッカ、どうする?」

 マスカートに判断を委ねられ、ムッカは口を一文字に結んで、そして森の奥へと真っ先に走っていった。

 その後をマスカートとバルジも追いかける。

「ええ、あんな奴らを助けに行くの? 放っておけばいいのに」

「お、お願いです。仲間を助けて下さい。皆、怪我をしてうずくまっています」