それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「いいよ、別に続けてくれて。私は気にしないから」

「どうしたんだよ、マスカート。なんか急に逞しくなって」

 カルマンが突っ込んだ。

「まあね、ちょっとね。それより、一部だけ訂正させてもらう。私がドルーと知り合った時、彼女は素直で優しい女性であった事は確かなんだ。だが、彼女の家は貧しくて、苦労ばかりしていた。私もできる限り助けてあげたかったが、自分の事で精一杯で勉強が忙しく充分構ってやれなかった。学力があればいい仕事が見つかると必死だったんだが、ドルーは年を取ることで焦りを感じ、待てなかっただけだ。親が金持ちとの付き合いを勧め、仕方なかった部分は本当にあったと思う。私は彼女を責められないよ」

 少し口許を上向きにさせ、マスカートは寂しく笑う。

 以前のように、自分の世界に入り込んで全てを否定して逃げていたマスカートではなかった。

 ムッカとカルマンは顔を見合わせて面食らっていた。

「なんか急に大人びたみたいだね。一体何が起こったの?」

 カルマンに突っ込まれて、マスカートはにこやかな笑顔を向けた。

「ちょっと、学んで賢くなったってことさ」

「けっ、結局はかっこつけてるだけかよ。自分で揉め事持ち込んで、一人だけ爽やかに解決しやがって、巻き込まれた俺の身にもなれ」

 ムッカはマスカートに飛び掛った。

 二人はもみ合うも、笑顔でじゃれあっていた。

 広間の隅で、バルジはモンモンシューを相手にしながら静かに話を聞いていた。

 少しずつだが、この屋敷の空気の流れが変わってきているのを感じていた。

 バルジは何かを問いかけるようにモンモンシューと目を合わせていた。