それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?


 リーフはその後また書斎に篭り、その日は一切出てくることはなかった。

 マスカートとムッカはドルーを街まで送り届け、その日は暗くなってから屋敷に戻ってきた。

 先に戻ってきたカルマンとバルジが、時々ぼんやりとしてボーっとしているジュジュの様子がおかしい事に気がつき、様子を尋ねるもジュジュは首を横に振るだけで、何が起こったか一言も喋らなかった。

 書斎に篭りっ放しのリーフも説明するわけもなく、カルマンは知りたくて好奇心が押さえきれずにヤキモキしていた。

 マスカートとムッカが屋敷に戻ってきた時も、二人して暗く口を閉ざし、食事時も一言も喋らない。

 皆で食事をしていたダイニングルームは、食器とシルバーウェアーがカチャカチャ音を立てるだけで静かなものだった。

 モンモンシューまでも、周りを気にして静かに食べていた。

 バルジは元々無口で静かに行動するため、この場合除外できるが、マスカート、ムッカ、そしてジュジュまでも明らかにいつもと違う態度に、カルマンは食事が食べ終わって口許を拭った後、我慢の限界で不満を口にだした。

「ちょっと、皆、なんかおかしいよ。一体何があったの?」

 一番能天気で、普段から空気を読まないカルマンが声を上げると、マスカートは面倒ごとのように顔を歪める。

 そのマスカートの表情をムッカは素早く読んで、ダイニングテーブルから立ち上がり、カルマンに顎で指図する。

 そして先に部屋から出て行くと、カルマンも何かが聞けるとばかりに、喜んでついて行った。

 ついでにモンモンシューも便乗していた。

 マスカートは静かに席を立ち、ジュジュに食事がおいしかったと伝える。

 そして悩んだ末に、後で裏庭に来て欲しいと伝えてから出て行った。

 バルジの瞳はそれを見て、何かを言いたそうにしていたが、敢えて何も言わず、立ち上がっては皆が食べ終わった皿を黙々と片付けだした。

 ジュジュもそれに続いて、片付けだした。

「今夜の食事もとても美味しかった」

 バルジは片付けながらさりげなく伝える。

 ジュジュは笑顔を作ってバルジに向けた。

 いつもならもっと明るく鞠が跳ねるように言葉を返すジュジュが、精一杯に微笑んでいる姿を見て、バルジも無視が出来なかった。

「ジュジュ、大丈夫か? 私はリーフからすでに聞いた」

 リーフに食事を持っていくのはバルジの役目だった。

 その時に話を簡単に聞いたらしかった。

 バルジが騒動の顛末を知っていると伝えたことで、ジュジュの目は見開いた。

 そして気を取り直して、無理に笑顔を作って答えた。

「ええ、大丈夫よ……」

「そっか」

 もう少しリーフがどのように話したのかジュジュは訊きたかったが、無駄にバルジは喋ってこない。

 バルジもどうしていいのかわからなかったのもあるだろうが、ジュジュは催促するように、チラチラとバルジの顔を見ていた。