それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 ジュジュの目の前にあった、大きな広い背中は、ゆっくりと動き、ジュジュの視界が再び開けた。

 モンモンシューが心配してすぐさまジュジュの胸に飛び込むと、ジュジュは無意識でそれをギュッと抱きしめた。

 背中を向けたまま、去ろうとしているリーフに何かを話さなければならないとジュジュは焦ってしまう。

 とにかくお礼だけでもと、咄嗟に声をかけた。

「あ、あの、ありがとうございました」

 リーフは立ち止まるが振り向きはしなかった。

「礼を言うなら、そこにいる者に言うんだな。そいつがタイミングよく私の目の前に居なければ、咄嗟の行動もだせなかった」

 不機嫌そうな声。

 また邪魔をしてしまったと、ジュジュは落ち込んでしまう。

「どうもすみませんでした」

 頭を下げ、震える声で謝り、そして再び顔をあげれば、ジュジュの目から涙がこぼれていた。

 自分でもなんで泣いているのかわからないくらい、取りとめもなく水滴が幾度にも垂れていく。

 リーフは暫く考えた後、ジュジュに振り向いた。

「何もジュジュが悪いのではない。気にするな」

 リーフから労わりの声がかけられた時、ジュジュの気持ちが溢れてしまい、益々涙がとまらなくなった。

 リーフはゆっくりとジュジュに近づく。

「極度の怖い体験をした後は、その緊張を和らげようと自然と涙が出るものだ。それは浄化作用のシステムだ。だから思いっきり流せ」

「は……い」

 か細く声を詰まらせて答えた。

 ジュジュが下を向いていると、リーフのブーツがどんどん自分に近づいてきていた。

 目の前でブーツのつま先を見たその直後、体がぎゅっと締め付けられた。

「もう大丈夫だ。無事でよかった」

 何が起こったのか瞬時に判別できず、ジュジュが唖然としていると、リーフはすでに台所を出て行った。

 時間が経ってから、やっとリーフに抱きしめられてたことを知り、ジュジュの心臓が突然ドキドキしてしまった。

 そして涙が止まり、代わりに顔が急に火照っていた。