それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「どうしようもないと思ってる。今はお互いを避けて当たり障りのないようにするだけで精一杯だ。私はそれ以上何も言えない。そういうジュジュはリーフと一緒に暮らしてどう思っているんだ?」

「お屋敷に置いてもらってるけど、殆ど顔を合わす事はないわ。でも、会えば緊張するのは確か。だけど、セイボルとほんとによく似ているから、不思議な気持ちになるわ」

「もしかして、リーフが冷たいからと言って、私もそうだと思われてるのか」

「ううん、そんな事はないわ。顔は似ていても中身が違うもの。だけどリーフのあの姿は本当のリーフではないと思う」

「えっ?」

「セイボルの存在のせいで無理に作ってるとしか思えないの。心の中の心配事やわだかまりを取り除いたら、セイボルのようにとても穏やかに笑う人だと私は思う」

「私のせいか…… それは参ったな」

「誤解しないで、セイボルを責めてるわけではないわ。でもリーフをこのまま放っておけないのも確かだわ」

「いや、あれは放っておいた方がいい! ジュジュ、リーフなんか放っておいて、私の屋敷にこないか」

「でも、今はこの森を離れられないの。モンモンシューに魔術をかけた人を探さないといけないから」

「それは私ももちろん手伝う。何もジュジュがあの屋敷で使用人のように働く必要はない」

「それは大丈夫よ。働く事は苦にはならないわ。ここで生活すると、出来なかったことが自由に出来てとても楽しいの」

 セイボルは少し考え込んだ。

「そうか、分かった。それなら私も応援するしかないな。それじゃ、時々ジュジュに会いに来よう。もちろん、こっそりとだが」

「セイボルはいい人ね」

「それは好きな人を目の前にしてるからだ」

「えっ?」

「もし、私が魔術をジュジュにかけられるのなら、遠慮なく私に惚れる魔術を掛けたことだろう。でも私の魔術はジュジュの前ではなんの役にも立たない。だったら、私という人物をジュジュに分かってもらいたい。要するにジュジュに好かれたいってことだ」

 物腰柔らかく、それでいて飾らずに本心を言うセイボルに、ジュジュは正直ながら乙女心が疼いた。

 自分で追いかける恋に憧れて、一途に思い続けてきたが、素直に告白されるのもドキドキするものがあった。

 セイボルは紳士的で、見かけもかっこいい。

 魔王というちょっと悪ぶれた肩書きもある。

 一生懸命に自分の恋をなんとかしようと、無我夢中で迫ってくる真剣な瞳が熱くも感じられる。

 まだまだ恋に憧れるジュジュにとっては、この雰囲気に飲み込まれそうにドギマギして、心くすぐられる。

 しかし、慣れてない分、どう応えてよいのかわからない。

 思いを込めて見つめられ、鼓動が胸を響かせる。

 目が逸らせずセイボルを見上げる体に力が入るが、足元はふわふわと覚束なくなっていた。