それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「だから、その名は…… とにかくだ、魔術にも色々ある。私は黒魔術を操る。これは悪い意味で用いられやすいが、実際そういうものではない。黒といっても、黒の色を利用して力を引き出すというのか、私自身が黒の持つ色の波長と相性がいい。人それぞれに自分に合う色を持っており、それに影響されるものだけ魔術が使える」

「ということは、白、赤、青、緑といった種類があるってこと?」

「色で魔術が区別されるのもおかしいのだが、実際はどれも同じ魔術にはかわりない。しかし、その人物が影響を受けている色を持っていると、特徴がでてくる。特に姿を変える魔術や、呪いを掛ける魔術は、その魔術をかけたものしか元に戻すことができない。モンモンシューはそれにあたる。だが、モンモンシューに掛けられた魔術はかなり不安定さを感じる。これは意図から外れて偶然このような結果になってしまったようだ」

「どういうこと?」

「元々は、死をもたらそうとしていた悪意があったってことだ。魔術は凶器や毒ではなく、瞬間に死をもたらす事ができない。呪いを掛けて、徐々に弱らせて、それが死を至らしめる要因を作ることがあっても、剣で刺すように簡単には殺せない。だが、この魔術からは強い刺激を感じる」

「じゃあ、モンモンシューは一歩間違っていたら致命傷を負っていたかもしれなかったのね」

 ジュジュはモンモンシューを力強く抱きしめて、申し訳なく思う。

「ドラゴンも強い力を持っている。その点が魔力を弾き飛ばす要因に繋がったのかもしれない」

「でも一体誰が」

「偶然ドラゴンが居たのでその力を試しただけかもしれないが、その魔術を使った物はその力が及ばず失敗したと思っているだろう。その副作用で小さい姿になったとは気付いてないかもしれない。しかし、これはとても脅威な魔術だ。ドラゴンは剣で刺すだけでは致命傷を負わす事はできない。だから人々は空を征服するドラゴンを非常に恐れている。そのドラゴンを一撃で倒す力を備えれば、天空の王国のドラゴンを操る力に頼らなくてもよくなると考え、この魔術を扱うものは君臨するかもしれない。また、ドラゴンだけじゃなく、人をも簡単に死に至らすことも当然できる。そうなると皆から恐れられ、それこそ魔王と呼ばれるに相応しい存在になるだろう」

「そんな…… それってセイボルじゃないの?」

「ええっ! やっぱりジュジュは私が悪者だと思ってるのか?」

 無邪気にさらりと言われると、さすがに堪えていた。