それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「いいかい、この森には僕たちがつけた目印があちこちにあるんだ。今は屋敷から森を抜けて街へ出るルートを通ってる。ほら、木の上の辺りを見てごらん」

 ジュジュは言われるまま頭を上げた。一度見るだけではカルマンの言う目印が何かわからない。

「ほうら、よく見て」

 その時、きらりと一瞬光った。

 それにジュジュが反応すると、カルマンはさらににこやかになった。

「緑の葉っぱで隠れてるけど、あの中には葉っぱの形を模写した光る金属板が仕込まれている。周りの色を映し出してるから、知らない人は気がつかないけど、角度を変えてよく見れば色が違って見えるようになってるんだ」

 言われて見ればカルマンの言う通りだった。

「僕たちの屋敷に迷わずに来る時は、これを目印に来るといい。僕達は何度も通ってるからすっかり覚えてるけどね」

 話を聞きながら歩いているうちに、また一つ、目印のある木を見つけた。

 ジュジュはそれを見つけて、はっとしてカルマンを見つめれば、カルマンは教えたことを得意げになりながら頷いていた。

「そうそう、その調子。これでこの森の秘密は一つ分かったね。だけどこの事は他の人には内緒だからね」

「わかったわ」

「それから僕の小屋の場所は、この道のルートから少し外れるんだ。ジュジュが罠に掛かった場所があっただろ、あの辺りに近いんだけどね。ジュジュにはこれを渡しておくよ」

 カルマンから手渡された物は、手のひらサイズの丸い銀メタルだった。

 そこに赤い石が宝石のようにはめ込まれていた。

「これは特殊なものでね、これを木に掲げると、一箇所だけ赤くキラッと光って反応するんだ。その赤い光が数秒だけ一定方向を示す。それを目印に歩くといい」

「すごい装置ね」

「一応僕、発明家の卵だから」

「発明家?」

「あれ、言わなかったっけ。僕は世界征服を目指しているマッドサイエンティストだって」

 カルマンは笑っていた。

 それが冗談なのか、本気なのかジュジュには分かりかねた。

 愛想程度に微笑んで誤魔化す。

「ありがとうカルマン」

 ジュジュは受け取ったメタルを大切にし、首から掲げていたショルダーバッグの中にしまいこんだ。

 カルマンのお蔭でまたこの森に来れるかもしれない。

 カルマンは一番問題を引き起こしてかき回す存在ではあるが、こうやって色んな可能性を引き出してくれる存在でもあった。

 付き合いに慣れればそれも悪くなく、結局はカルマンに助けられていることにジュジュは感謝した。

「あれ?」

 カルマンが不思議そうに前を見つめると、前方に居たマスカートの動きも止まっていた。

 後ろから様子を確かめようとムッカも走ってきた。

「なんかあったのか?」

 ムッカがカルマンに訊くが、カルマンは首を傾げている。

 二人はマスカートの方へ駆け出していった。