それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「最後のお別れをしたの。あのまま、さようならをするのは嫌だったから」

 この屋敷を出る心構えをしたジュジュの心情を汲み取ると、マスカートもムッカもやるせなくなる。

「そっか…… それじゃ、私達もそろそろ行こうか」

「行くしかねぇーな」

 二人はしぶしぶと立ち上がった。

「ねぇ、なんとかならないのかな。ジュジュをリーフに隠れて匿うとか」

「おいおい、ジュジュは何も悪いことしたわけじゃないんだぞ。カルマン、頼むから黙れ」

 ムッカが指を向けて非難した。

「匿ったところで、ジュジュはもうこの屋敷に居る目的はないじゃないか。だって私達は助けてないんだから」

 マスカートは寂しくジュジュを見つめ、無理に笑おうとしていた。

「だけど、森で罠に掛かったとき、助けてくれたのは皆さんです。ちゃんと皆さんに助けてもらいました。本当にありがとうございました」

「そしたら、今度来る時はお礼待ってるからね」

「カルマン!」

 マスカートとムッカに同時に名前を呼ばれ、カルマンは舌を出し、ジュジュにウインクをしていた。

 ジュジュはこの三人のやり取りが見納めになるかと思うと、少し寂しい。

 あの時助けて貰った人はこの中に居なくとも、この強烈な男達と一緒に過ごすのはとても楽しかった。

 自分の城では決して得られない付き合いが、少なくともここでは体験できた。

 目的は置いといて、もう少しこの男達と一緒に過ごしたいと思えてくるから不思議だった。

 最後にもう一度リーフに挨拶をしたいとジュジュは申し出たが、マスカートは首を横に振った。

「多分リーフは休んでるはずだ。わざわざ起こすこともないよ。起きたとき機嫌が悪かったら、後味がさらに悪くなるだろ。放っておいていいよ。あんな奴」

 雇い主を蔑むような言い方は、マスカートのせめてもの反抗だった。

 ジュジュは何も言わず、マスカートに従った。

 屋敷の玄関のドアを開けると、光が飛び込んで眩しかった。

 ジュジュは目を細め、モンモンシューを肩に乗せて屋敷を出て行く。

 マスカート、ムッカ、カルマンも護衛するようにジュジュの後ろから着いて行った。