9
「待ってバルジ」
呼び止められたバルジは、背中を向けたまま立ち止まる。
ジュジュは小走りに回り込んでバルジと向き合った。
バルジの瞳はどこか揺れ動き、戸惑いを見せる。
体は誰よりもがっしりとして大きいのに、この時は子供のように何かを心配して不安になっていた。
先ほどの怒った姿も、この時の姿も、バルジ本来の姿らしくなく、ジュジュは何かを敏感に感じ取った。
「もしかしたら、バルジは何かを知ってるんじゃないの? バルジは誰よりも無口で余計な事を言わないけど、大事な事だけは主張する。ひたすら様子を見ているような気がするの。その裏に、何かを隠して」
「ジュジュの言ってる意味がわからない」
「だから、私が誰に助けられたか知ってるんじゃないの?」
バルジは首を横に振る。
「もしかして、バルジが助けてくれたの?」
「私ではない」
即答で返って来たバルジの目を見れば、無理にジュジュを捉えているように見えた。
それがなぜか嘘をついてるように思えてならなかった。
ジュジュの瞳にも、その疑いの陰りが移りこんでいる。
バルジはそれをしっかりと見ていた。
「ジュジュ、どうして助けて貰った人に拘るんだ?」
「私、その人にもう一度会いたいの。助けてもらった時に抱いた気持ちが忘れられなくて…… それできっちりとお礼もいいたいし」
「そっか、それじゃしっかりと探さないとな。これだけははっきりと言えるが、マスカート、ムッカ、カルマン、そして私では絶対にない」
深みのあるブラウンの瞳はその時、揺らぐことなくジュジュを映し込んでいた。
「待ってバルジ」
呼び止められたバルジは、背中を向けたまま立ち止まる。
ジュジュは小走りに回り込んでバルジと向き合った。
バルジの瞳はどこか揺れ動き、戸惑いを見せる。
体は誰よりもがっしりとして大きいのに、この時は子供のように何かを心配して不安になっていた。
先ほどの怒った姿も、この時の姿も、バルジ本来の姿らしくなく、ジュジュは何かを敏感に感じ取った。
「もしかしたら、バルジは何かを知ってるんじゃないの? バルジは誰よりも無口で余計な事を言わないけど、大事な事だけは主張する。ひたすら様子を見ているような気がするの。その裏に、何かを隠して」
「ジュジュの言ってる意味がわからない」
「だから、私が誰に助けられたか知ってるんじゃないの?」
バルジは首を横に振る。
「もしかして、バルジが助けてくれたの?」
「私ではない」
即答で返って来たバルジの目を見れば、無理にジュジュを捉えているように見えた。
それがなぜか嘘をついてるように思えてならなかった。
ジュジュの瞳にも、その疑いの陰りが移りこんでいる。
バルジはそれをしっかりと見ていた。
「ジュジュ、どうして助けて貰った人に拘るんだ?」
「私、その人にもう一度会いたいの。助けてもらった時に抱いた気持ちが忘れられなくて…… それできっちりとお礼もいいたいし」
「そっか、それじゃしっかりと探さないとな。これだけははっきりと言えるが、マスカート、ムッカ、カルマン、そして私では絶対にない」
深みのあるブラウンの瞳はその時、揺らぐことなくジュジュを映し込んでいた。



