それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「この中の誰もジュジュを助けてない」

 落ち着いたバルジの低い声が届き、驚きに縛り付けられていた呪縛が解けた。

「ジュジュ、カルマンの言ってる事ははったりだ。惑わされるな。私達の誰も、ジュジュを助けた人物ではない」

「バルジ、なんでそこで邪魔をするんだよ。折角ジュジュは僕の事好きになりかけてたのに」

 カルマンは嘘だとばれても反省の色がなかった。

 マスカートがそれを見て切れた。

「カルマン、止めろ! お前はどうして、そんなにトラブルメーカーなんだ。もういい加減にしろ。ジュジュ、すまない」

「マスカートが謝る必要はないわ。でも、カルマンの言った事は嘘なの?」

「そうだ、全部嘘だ。もうこういうの俺は嫌だ。カルマンにかき回されて、あー疲れたぜ。本当にこいつには呆れる」

 ムッカも我慢の限界だった。

「なんだよ、皆。僕ばっかり悪者みたいに」

「その通りじゃないか」

 ムッカは腹が立ちすぎて、目の前にあったリンゴをカルマンに投げ飛ばした。

「ん、もう。食べ物を粗末にするな」

「ジュジュ、これでわかっただろう。この屋敷に居る価値などないことが。そろそろ身支度するといい」

「おい、バルジ。リーフにジュジュが居られるように説得したのに、なんで急に手のひら返してるんだよ」

 カルマンが膨れ面で反論した。

「カルマンの度が過ぎるからだ。マスカートもムッカも結局はジュジュに気に入られようとしているのが見えた」

「なんだよ、自分だけそうじゃないという事をアピールってことなの? バルジは結構優柔不断なんだ。そうやって、結局はジュジュの気を引こうとしてるんじゃないの?」

「違う!」

 バルジがテーブルを拳で叩き、怒りを見せた。

 その迫力は、誰もが目を見張った。

 辺りが静まり返り、カルマンですら圧倒されて声を失っていた。

「さあ、そろそろ、リーフから与えられた自分の仕事をした方がいい。それからジュジュ、突然怒鳴ってすまなかった」

 バルジは席から立ち上がり、部屋を出て行ってしまった。

 ジュジュは何かが引っかかり、バルジの後を追った。