それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

「でも、実際王女様は逃げられないと思うぜ。そうなったら無理やり選ぶしかないんだろうな。恋も知らずに選ぶのも可哀想だな」

「ムッカはなんだか同情的だな」

 マスカートは茶化した。

「だってさ、国を背負って、子孫繁栄のためだけに結婚しないといけないんだぜ。まるで王女様は道具みたいじゃないか」

 ムッカの言葉にジュジュの動作が止まった。

「でもさ、一生苦労しなくても、贅沢三昧だろ。そして地位も権力もあるんだから、一つくらい不利な点があっても仕方がないよ。王女様もそれは割り切ってるんじゃないかな。だけど、王女様の選ぶ人が好みの人なら最高じゃないか。あれだけ集まれば、きっと見つかるんじゃないの?」

 カルマンの意見も一般論として聞けば面白みのあるものだったが、ジュジュの本心は割り切る事はできなかった。

 自分には好きになった人がいる。

「私達もそこに行けばよかったかもな」

「マスカートも僕と同じで選ばれる自信があったんだ」

「まさか、そんな訳ないけどさ、王女様の姿は見たいと思ったのさ。今までベールに包まれてたからね」

「きっと、大したことないぜ。王女様という地位だけで、男達は群がってるけど、それを取り除いたら誰も見向きもしない風貌だろうぜ。もしかしたらこんな顔だったりして」

 ムッカは手を使って自分の顔を歪めていた。

 カルマンはそれを見て素直に笑っている。

 実際自分の知らないところで色々と話されている事は理解できても、こんな風に自分がいる場所で自分の話題が出て、好き勝手に話されることにジュジュは居心地が悪くなっていた。

「でもさ、ジュジュみたいな女の子だったらどうするの?」

 カルマンの一言で、マスカートとムッカは、なぜかドキッとしてしまった。

 ジュジュもまた、違う意味でドキッとしていた。

 皆の視線を浴びた時、冷や冷やして、落ち着きをなくした。

「それだったら、皆、放っておかないさ、なあ、ムッカ」

「ああ、そうだな」

 王女様という言葉がぴったりと当てはまる不思議な感覚を感じ、二人はジュジュを王女様として重ねて見てしまった。

「あ、あの、私は、そんなんじゃないですし……」

 ジュジュにとっては嘘をついてることになってしまうが、それしか言い様がなかった。

「ねぇねぇ、もしジュジュがこの四人の中から選ばないといけないとしたら、一体誰を選ぶ?」

 目をキラキラさせて、好奇心たっぷりにカルマンが訊いた。

「えっ?」

 食事をしていた男達の手が止まる。

 会話に全く参加せず、黙々と食べることしかしてなかったバルジですら、気を取られてジュジュに視線を向けた。

 ジュジュは一人一人の顔を見て、言葉を詰まらせた。

 それが自分の真の目的であるだけに、カルマンの質問がこの時になって、急に深い意味をなしてしまった。

 ──私は一体この中の誰が好き? この中にはあの時私を助けた人がいる……

 皆、ジュジュの答えを真剣な眼差しで待っていた。