「ジュジュがこの屋敷にいられないのなら、僕が助けた人物だっていうべきだ。そうすればジュジュだってすっきりするだろうし、きっと僕を好きになってくれる」
「なんでカルマンを好きになるんだよ。あんなことしといて。ほんとよくいうぜ。この減らず口め」
ムッカはカルマンの頬を引っ張った。
「もうやめてよ、ムッカ。気に入らないんだったら、自分がその役を買ってでたらどうなんだ? ムッカだってジュジュを気に入ってるんだろ。気に入ってるくせに、一番その気持ちを隠して、かっこつけてるんだから性質(たち)が悪いよ。悔しかったら自分の気持ちに正直になって、頭を働かせればいいじゃないか」
「だからといって、嘘をついてまで、気を引く気になどなれない!」
「今更何を言うんだ。チンピラだった頃は、無駄に虚勢はって、子分どもに大ほらこいてたくせに。その嘘がばれてグループから追放されたこと、今更忘れたのか?」
痛いところを突かれ、ムッカは息が詰まって、呼吸困難を起こしそうだった。
「もういい、よせ、カルマン。ムッカだって昔の事は反省してるから、今は恥を知ってるんだ。お前のように悪びれることなく嘘なんてつけないんだ。お前のやり方は、卑怯そのものだ」
「違うよ。僕は先の事を常に見て、どういう行動を取ればいいか賢く振舞ってるだけだ。例えそこに嘘が混ざろうと、長い目で見たらそれも目的のために必要なことさ。誰だって多少の嘘はつくだろう?」
正当化されていわれると、尤もらしく聞こえるから、埒があかない。
カルマンはいつものらりくらりと反論して、論点をすり替えてしまう。
機転に富んだ、頭の回転は誰よりも速く、着眼点も人とは違う。
そういうところは、どうしても打ち負かすことはできなかった。
結局、マスカートとムッカはやり込められて黙ってしまった。
カルマンはその様子に口許を上げ、満足すると共に意地の悪い笑みを浮かべた。
「いいにおいがしてきたね。ジュジュは何を作ってるんだろう。ちょっと見てこようっと」
カルマンは言い合いをしたことも疾うに忘れ、あっけらかんとして、行ってしまった。
その切り替えの早さにも二人は敵わなかった。
カルマンが居なくなった後、ムッカはマスカートには本音をたれた。
「なあ、なんとかしてジュジュをこの屋敷に居させてやれないだろうか。折角知り合って、このままお別れはやっぱり寂しいぜ」
「ムッカはやっぱりジュジュに惚れたのか」
「正直わかんねぇ。だけど、ジュジュみたいな女の子は滅多に居ないというのはわかるんだ。あどけなく、無邪気だけど、その裏で気品があるというのか、凛として宝石のような輝きを持ってる。ああいう雰囲気を持つ子は中々いない。これを逃したら勿体無いっていう気持ちが急に現れたんだ」
「うん。その気持ちは私もわかる。顔だってかわいいし、見ていて癒されるものがある。特に、こんなオーガが住むような森の中で、男だけで暮らしていると、ジュジュが存在するだけで心安らぐものがある。過去の失恋もついでに癒されそうだ」
「なんとかならないだろうか」
「リーフが縦に首を振らない限り、絶対無理だからな」
「そうだよな」
どうする事もできず、二人は溜息を吐いた。
再び息を吸えば、ジュジュが準備する料理の匂いが、二人の鼻腔をくすぐった。
二人は顔を見合わせると、その後は息をぴったり合わせて台所へ小走りに駆けて行った。
そして、その匂いはリーフが居る書斎にまで香っていた。
「なんでカルマンを好きになるんだよ。あんなことしといて。ほんとよくいうぜ。この減らず口め」
ムッカはカルマンの頬を引っ張った。
「もうやめてよ、ムッカ。気に入らないんだったら、自分がその役を買ってでたらどうなんだ? ムッカだってジュジュを気に入ってるんだろ。気に入ってるくせに、一番その気持ちを隠して、かっこつけてるんだから性質(たち)が悪いよ。悔しかったら自分の気持ちに正直になって、頭を働かせればいいじゃないか」
「だからといって、嘘をついてまで、気を引く気になどなれない!」
「今更何を言うんだ。チンピラだった頃は、無駄に虚勢はって、子分どもに大ほらこいてたくせに。その嘘がばれてグループから追放されたこと、今更忘れたのか?」
痛いところを突かれ、ムッカは息が詰まって、呼吸困難を起こしそうだった。
「もういい、よせ、カルマン。ムッカだって昔の事は反省してるから、今は恥を知ってるんだ。お前のように悪びれることなく嘘なんてつけないんだ。お前のやり方は、卑怯そのものだ」
「違うよ。僕は先の事を常に見て、どういう行動を取ればいいか賢く振舞ってるだけだ。例えそこに嘘が混ざろうと、長い目で見たらそれも目的のために必要なことさ。誰だって多少の嘘はつくだろう?」
正当化されていわれると、尤もらしく聞こえるから、埒があかない。
カルマンはいつものらりくらりと反論して、論点をすり替えてしまう。
機転に富んだ、頭の回転は誰よりも速く、着眼点も人とは違う。
そういうところは、どうしても打ち負かすことはできなかった。
結局、マスカートとムッカはやり込められて黙ってしまった。
カルマンはその様子に口許を上げ、満足すると共に意地の悪い笑みを浮かべた。
「いいにおいがしてきたね。ジュジュは何を作ってるんだろう。ちょっと見てこようっと」
カルマンは言い合いをしたことも疾うに忘れ、あっけらかんとして、行ってしまった。
その切り替えの早さにも二人は敵わなかった。
カルマンが居なくなった後、ムッカはマスカートには本音をたれた。
「なあ、なんとかしてジュジュをこの屋敷に居させてやれないだろうか。折角知り合って、このままお別れはやっぱり寂しいぜ」
「ムッカはやっぱりジュジュに惚れたのか」
「正直わかんねぇ。だけど、ジュジュみたいな女の子は滅多に居ないというのはわかるんだ。あどけなく、無邪気だけど、その裏で気品があるというのか、凛として宝石のような輝きを持ってる。ああいう雰囲気を持つ子は中々いない。これを逃したら勿体無いっていう気持ちが急に現れたんだ」
「うん。その気持ちは私もわかる。顔だってかわいいし、見ていて癒されるものがある。特に、こんなオーガが住むような森の中で、男だけで暮らしていると、ジュジュが存在するだけで心安らぐものがある。過去の失恋もついでに癒されそうだ」
「なんとかならないだろうか」
「リーフが縦に首を振らない限り、絶対無理だからな」
「そうだよな」
どうする事もできず、二人は溜息を吐いた。
再び息を吸えば、ジュジュが準備する料理の匂いが、二人の鼻腔をくすぐった。
二人は顔を見合わせると、その後は息をぴったり合わせて台所へ小走りに駆けて行った。
そして、その匂いはリーフが居る書斎にまで香っていた。



