日が差し込んですっかり明るくなっている広間では、暖炉を背景にしてリーフが腕を組んで仁王立ちしている。
マスカートとムッカが着替えている間、バルジが報告係となり簡単に事の経緯を説明していた。
ジュジュがここに辿り着いた話は無表情で黙って聞いていたが、カルマンの話の下りになると、刺すような睨みを当の本人に向けた。
カルマンもリーフの前では借りてきた猫のように大人しく、ひたすら口を閉ざしていた。
「大体の事はわかったが、カルマンの行動だけは理解し難い。成り行き上、ここにあの女の子を一晩泊めたにせよ、カルマンは男としてやってはいけない行動を犯した。恥を知れ」
「お言葉を返すようですが、僕は悪意を持ってやった訳ではなく、ジュジュを襲うつもりなどこれっぽっちも考えてなかった。ただ僕は受け入れてもらえるのか試しただけで、ジュジュが嫌がるのなら無理強いはしなかった」
往生際が悪いのか、自分がしたことを悪いとも思っていないそのカルマンの態度に、リーフには許せない感情が湧き起る。
しかし、敢えてそれを押さえ込み、カルマンと対峙した。
「現に彼女は助けを求めたそうじゃないか。その声を聞いたから他のものが駆けつけた。それでも無理強いはなかったと言えるのか」
「あれは僕にとっても計算違いで……」
「その様子だと、余程、己に自信があったと見える。お前は周りの事を良く見てなさ過ぎる。自分が思ってる程、お前の力は大きくないぞ。そういう事を考えた事はないのか」
自分の能力を否定される事はカルマンには我慢ならない繊細な部分だった。
口には出さないが、その点だけは、実際この四人の男達の中では一番上だと思っていた。
それだけの負けない才能をカルマンは持っていると誇示したいぐらいだった。
しかし、真の賢い物はそういうのをさらけ出さない事もよくわかっている。
それでも時々毒舌になって思う事はズバズバと口に出す。
常に強気を保っているからそういう行動が自然と出ているのだった。
今回もジュジュに拒まれることなど全く頭になかった。
だからこそ、どこまでも強気で反論を返してしまう。
「全くない。僕はここでは誰よりも年下だが、それだけで劣ってるとは絶対に思わない」
どこまでも反発するその態度に、リーフの片足が上下に揺れて苛立っていた。
「いいか、カルマン。この屋敷に住む以上、やりたい放題は慎め。一つだけ忠告してやる。お前の持ってる力は私の持ってる力よりも低いという事だけ思い知るがいい。わかったか」
屋敷の主である、リーフは確かに雇い主ではある。
その点の立場は低いのはさすがにカルマンもわかっていた。
だが、才能や能力に関してだけは、例えリーフであっても劣ってるとは思ってなかった。
ここは賢く振舞った方が得策に感じ、カルマンは不承不承に「はい」と返事を返していた。
前屈みになり、頭を垂れたその態度は打ち砕かれて参ったようにも見えたが、それはフリだけで、その見えない部分でカルマンの表情は邪悪に企んだ笑みを薄っすらと浮かべていた。
マスカートとムッカが着替えている間、バルジが報告係となり簡単に事の経緯を説明していた。
ジュジュがここに辿り着いた話は無表情で黙って聞いていたが、カルマンの話の下りになると、刺すような睨みを当の本人に向けた。
カルマンもリーフの前では借りてきた猫のように大人しく、ひたすら口を閉ざしていた。
「大体の事はわかったが、カルマンの行動だけは理解し難い。成り行き上、ここにあの女の子を一晩泊めたにせよ、カルマンは男としてやってはいけない行動を犯した。恥を知れ」
「お言葉を返すようですが、僕は悪意を持ってやった訳ではなく、ジュジュを襲うつもりなどこれっぽっちも考えてなかった。ただ僕は受け入れてもらえるのか試しただけで、ジュジュが嫌がるのなら無理強いはしなかった」
往生際が悪いのか、自分がしたことを悪いとも思っていないそのカルマンの態度に、リーフには許せない感情が湧き起る。
しかし、敢えてそれを押さえ込み、カルマンと対峙した。
「現に彼女は助けを求めたそうじゃないか。その声を聞いたから他のものが駆けつけた。それでも無理強いはなかったと言えるのか」
「あれは僕にとっても計算違いで……」
「その様子だと、余程、己に自信があったと見える。お前は周りの事を良く見てなさ過ぎる。自分が思ってる程、お前の力は大きくないぞ。そういう事を考えた事はないのか」
自分の能力を否定される事はカルマンには我慢ならない繊細な部分だった。
口には出さないが、その点だけは、実際この四人の男達の中では一番上だと思っていた。
それだけの負けない才能をカルマンは持っていると誇示したいぐらいだった。
しかし、真の賢い物はそういうのをさらけ出さない事もよくわかっている。
それでも時々毒舌になって思う事はズバズバと口に出す。
常に強気を保っているからそういう行動が自然と出ているのだった。
今回もジュジュに拒まれることなど全く頭になかった。
だからこそ、どこまでも強気で反論を返してしまう。
「全くない。僕はここでは誰よりも年下だが、それだけで劣ってるとは絶対に思わない」
どこまでも反発するその態度に、リーフの片足が上下に揺れて苛立っていた。
「いいか、カルマン。この屋敷に住む以上、やりたい放題は慎め。一つだけ忠告してやる。お前の持ってる力は私の持ってる力よりも低いという事だけ思い知るがいい。わかったか」
屋敷の主である、リーフは確かに雇い主ではある。
その点の立場は低いのはさすがにカルマンもわかっていた。
だが、才能や能力に関してだけは、例えリーフであっても劣ってるとは思ってなかった。
ここは賢く振舞った方が得策に感じ、カルマンは不承不承に「はい」と返事を返していた。
前屈みになり、頭を垂れたその態度は打ち砕かれて参ったようにも見えたが、それはフリだけで、その見えない部分でカルマンの表情は邪悪に企んだ笑みを薄っすらと浮かべていた。



