それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?


 振り返ったそのドアの向こうには、新たな登場人物が立っていた。

 この瞬間に、誰しも予期せぬその登場に驚き、目を見開いて声を詰まらせていると、その人物は静かに部屋の中まで進んで、固まっている男達の間を割り込み、ジュジュの真正面に立ちはだかった。

 ジュジュは初めて見た気がしない、見上げるくらい背の高いその人物と向き合い、緊張する。

 その後ろでは残りの四人の男達が、固唾を飲んで見守っていた。

 ジュジュの姿を頭の先からつま先まで一通り見つめるその厳しい目は、暖炉の上に掲げてあった肖像画で描かれていた目とどこか一致する。

 この人物はリーフに違いない。

 目の前の人物が誰だか判った時、ジュジュの喉の奥から反射する声がついた。

「一体この部屋で何をしている。この女の子は誰なんだ?」

「リーフ、これには訳が……」

 マスカートが言いかけた時、リーフは自分の足元に転がる赤いバラに視線をやった。

 不快な気持ちを丸出しにし、そのバラを足で踏みつける。

 その行為はジュジュを怯ませた。

 次にリーフはカルマンに振り返り、顔にへばりついているものを不思議そうに見ては、それに手を伸ばした。

「なんだこれは?」

 あんなに引っ張っても取れなかったモンモンシューが、リーフによって簡単にはがされた。

 モンモンシューは大人しく首根っこをつかまれるまま、リーフと否が応でも向き合わされた。

 キョトンとして、完全に何が起こってるか把握できないで、されるがままになっている。

 リーフは考えた末、それをジュジュの前に差し出した。

「君がこれを持ち込んだのか?」

「はい」

 返事をするだけでジュジュは精一杯だった。