「いや、なんでもない」
「バルジにしては珍しいな。なんでもないようには見えないけど。何か心当たりでもあるの? もしかしてバルジが助けたの?」
あどけない表情を装ってるがカルマンの瞳がギラギラして、何かを探りたそうにしている。
「私じゃない。ただ……」
バルジはその後の言葉が続けられず、暫く沈黙が広がった。
「もう、言いかけといて、途中でやめないでよ。知ってることがあるんだったら僕たちにも教えてよ」
カルマンは素直に好奇心丸出しにして問い詰める。側で見ていたマスカートとムッカも面と向かって本音は口に出さないが、この時カルマンと同じ思いだった。
普段無口なバルジが注目を浴びる事はめったにないだけ、三人から同時に意見を求められる行為は居心地の悪いものだった。
それとも、口に出せない事情があるのか、バルジもこの時ばかりは目を泳がせていた。
「大したことではない。もしかしたらリーフが助けたのかと思ったまでだ」
「えっ? リーフが? それはないでしょ。あの人はしょっちゅう留守がちだし、森の中にもめったに行かないし、この屋敷の事はいつも僕たち任せじゃないか」
カルマンはありえないと、首を横に振って呆れていた。
「あの人が私たちを雇ったのも、この屋敷周辺を守るためで、はなっから人助けなんてしようとも思ってなかった……」
マスカートもカルマンと同じ意見で、その点に関しては違うと言いきれたが、リーフが人助けに係わっていないという認識を改めて持った時、どこか言い終わる前にトーンが下がっていた。
「そうだよな、リーフは絶対に関与してないはずだ。人助けは俺達が勝手に持ち出した事だからな……」
ムッカもマスカートと同様、同じ思いに駆られてどこか言いにくそうだった。
「人助けの部分は僕たちが始めたビジネスだからって、何もそんなにリーフに対して遠慮することなんてないじゃないか。僕たちのお蔭で、この屋敷も潤うようになったし、リーフは逆に感謝すべきなことじゃないの。一々誰を助けたとかリーフには報告してないけど、リーフもその点は自由にやっていいって思ってるよ。リーフは僕たちが何をやってるかはっきりとは知らないんだから。ただこの森では有名になって勇者として名声が上がってることは知ってるだろうけど。それだけ僕たちが優れた人材だって印象ついてるよ」
カルマンは自分のやってることに自信を持った上で、堂々としていた。
そのカルマンの潔い態度に、マスカートとムッカはお互い顔を合わせ、面映くなっていた。
「とにかくだ、僕たちのやってるビジネスにリーフは一切関与してないし、もし、ジュジュを助けてこの屋敷に連れてきたとしたら、その時、当然僕たちも見ているはずだ。今までリーフが人を助けてここに連れてきた事は一度もなかった。リーフは余程の知り合いじゃない限り、自分で人を屋敷に招く事は極力避けるし、いつも部屋に閉じこもりがちだ」
「そこはカルマンの言う通りだと私も思う」とマスカートが同意すると、ムッカも頷いていた。
「それじゃ、私達の誰もがジュジュを助けてないということになる。ジュジュの勘違いなのかもしれない」
バルジが締めくくった。
「でも勘違いにしては当てはまりすぎなんだよな。この森の中で、ジュジュが言う、暖炉があって肖像画が掛かってるような屋敷はここだけだし、ジュジュはこの屋敷に来たことがあるって思ったから、ここに居たいって望んでるんだろ。それに僕、助けた覚えはないんだけど、なんだか顔を見たような気がするんだ」
「えっ、カルマンはジュジュを見たことがあるのか?」
ずっと黙って聞いていたバルジが思わず口を突いた。
「バルジにしては珍しいな。なんでもないようには見えないけど。何か心当たりでもあるの? もしかしてバルジが助けたの?」
あどけない表情を装ってるがカルマンの瞳がギラギラして、何かを探りたそうにしている。
「私じゃない。ただ……」
バルジはその後の言葉が続けられず、暫く沈黙が広がった。
「もう、言いかけといて、途中でやめないでよ。知ってることがあるんだったら僕たちにも教えてよ」
カルマンは素直に好奇心丸出しにして問い詰める。側で見ていたマスカートとムッカも面と向かって本音は口に出さないが、この時カルマンと同じ思いだった。
普段無口なバルジが注目を浴びる事はめったにないだけ、三人から同時に意見を求められる行為は居心地の悪いものだった。
それとも、口に出せない事情があるのか、バルジもこの時ばかりは目を泳がせていた。
「大したことではない。もしかしたらリーフが助けたのかと思ったまでだ」
「えっ? リーフが? それはないでしょ。あの人はしょっちゅう留守がちだし、森の中にもめったに行かないし、この屋敷の事はいつも僕たち任せじゃないか」
カルマンはありえないと、首を横に振って呆れていた。
「あの人が私たちを雇ったのも、この屋敷周辺を守るためで、はなっから人助けなんてしようとも思ってなかった……」
マスカートもカルマンと同じ意見で、その点に関しては違うと言いきれたが、リーフが人助けに係わっていないという認識を改めて持った時、どこか言い終わる前にトーンが下がっていた。
「そうだよな、リーフは絶対に関与してないはずだ。人助けは俺達が勝手に持ち出した事だからな……」
ムッカもマスカートと同様、同じ思いに駆られてどこか言いにくそうだった。
「人助けの部分は僕たちが始めたビジネスだからって、何もそんなにリーフに対して遠慮することなんてないじゃないか。僕たちのお蔭で、この屋敷も潤うようになったし、リーフは逆に感謝すべきなことじゃないの。一々誰を助けたとかリーフには報告してないけど、リーフもその点は自由にやっていいって思ってるよ。リーフは僕たちが何をやってるかはっきりとは知らないんだから。ただこの森では有名になって勇者として名声が上がってることは知ってるだろうけど。それだけ僕たちが優れた人材だって印象ついてるよ」
カルマンは自分のやってることに自信を持った上で、堂々としていた。
そのカルマンの潔い態度に、マスカートとムッカはお互い顔を合わせ、面映くなっていた。
「とにかくだ、僕たちのやってるビジネスにリーフは一切関与してないし、もし、ジュジュを助けてこの屋敷に連れてきたとしたら、その時、当然僕たちも見ているはずだ。今までリーフが人を助けてここに連れてきた事は一度もなかった。リーフは余程の知り合いじゃない限り、自分で人を屋敷に招く事は極力避けるし、いつも部屋に閉じこもりがちだ」
「そこはカルマンの言う通りだと私も思う」とマスカートが同意すると、ムッカも頷いていた。
「それじゃ、私達の誰もがジュジュを助けてないということになる。ジュジュの勘違いなのかもしれない」
バルジが締めくくった。
「でも勘違いにしては当てはまりすぎなんだよな。この森の中で、ジュジュが言う、暖炉があって肖像画が掛かってるような屋敷はここだけだし、ジュジュはこの屋敷に来たことがあるって思ったから、ここに居たいって望んでるんだろ。それに僕、助けた覚えはないんだけど、なんだか顔を見たような気がするんだ」
「えっ、カルマンはジュジュを見たことがあるのか?」
ずっと黙って聞いていたバルジが思わず口を突いた。



