そこまで言いかけた時、ムッカとカルマンが再び部屋に入って来て言葉を遮られた。
「あれ、二人とも何見つめあってんだよ。マスカート、なんでそんな深刻な顔してるんだ?」
ムッカが何かを勘繰るようにマスカートを問い詰める。
「いや、別になんでもない。さっきの事謝ってただけだ。ちょっと見られたくないものがあったって説明してたんだ」
「おい、マ、マスカート。まさかしゃべったのか」
ムッカが慌てると、ジュジュはにっこりとして言った。
「あの、急に押し掛けて来た私が悪いんです。見られたくないものがあっても不思議じゃないです。それは何かとは訊きませんから安心して下さい。私だって、一つや二つ秘密はありますし……」
ムッカはマスカートと顔を合わせ、ジュジュの気遣いをどう受け止めていいのか戸惑っていた。
「ふーん、ジュジュにも秘密があるのか」
カルマンは騒動が起こったことより、ジュジュに興味が行った。
何かを企むように瞳の奥が光っている。
「とにかく、ジュジュ本当にすまなかった。今日はゆっくりと寝てくれ」
マスカートはムッカとカルマンに顎で指図し、自分もさっさと部屋から出て行った。
そして二人も後に続いていた。
カルマンが最後にドアを閉めながら言った。
「鍵しっかりと閉めるんだよ」
「はい、おやすみなさい」
ドアが静かに閉まると、部屋は急に音を吸い込んだように静寂さが広がった。
抱きしめていたモンモンシューを解放し、ドアに近づく。
忘れないように閂(かんぬき)を差し込み、全てが終わるとベッドに腰掛け、ジュジュは軽く吐息を洩らした。
モンモンシューはそれを見て心配し、ジュジュの顔の前でホバリングする。
「モンモンシュー、大丈夫だから。それよりも、モンモンシューの方が私よりも大変だったわ。早くその体治さなくっちゃ。みんな、私のせいだね。私が固執してこんな事しなかったら、モンモンシューも小さくなることなかったのに」
モンモンシューは、出来る限り気丈に振るまい、キビキビと元気よく飛び回ってから、再びジュジュと向かいあった。
「小さくても大丈夫だって言いたいのね。ありがとう。でも、このままなのは絶対だめだわ。それに私、自分のやってることがわかんなくなってきちゃった。本当に私を助けてくれた人がここにいるのかしら」
モンモンシューはジュジュの肩に止まり、ジュジュの頬を舐めだした。
「モンモンシュー、くすぐったいわ。わかってる。弱気になるなってことでしょ。でも、なんだかわかんなくなってきちゃった」
つい弱音を吐いたのは、疲れていたからかもしれない。
また溜息が漏れる。
ジュジュはベッドの上に転がり、自分がいなくなった後のお城がどうなっているのか急に気になり始めた。
「あれ、二人とも何見つめあってんだよ。マスカート、なんでそんな深刻な顔してるんだ?」
ムッカが何かを勘繰るようにマスカートを問い詰める。
「いや、別になんでもない。さっきの事謝ってただけだ。ちょっと見られたくないものがあったって説明してたんだ」
「おい、マ、マスカート。まさかしゃべったのか」
ムッカが慌てると、ジュジュはにっこりとして言った。
「あの、急に押し掛けて来た私が悪いんです。見られたくないものがあっても不思議じゃないです。それは何かとは訊きませんから安心して下さい。私だって、一つや二つ秘密はありますし……」
ムッカはマスカートと顔を合わせ、ジュジュの気遣いをどう受け止めていいのか戸惑っていた。
「ふーん、ジュジュにも秘密があるのか」
カルマンは騒動が起こったことより、ジュジュに興味が行った。
何かを企むように瞳の奥が光っている。
「とにかく、ジュジュ本当にすまなかった。今日はゆっくりと寝てくれ」
マスカートはムッカとカルマンに顎で指図し、自分もさっさと部屋から出て行った。
そして二人も後に続いていた。
カルマンが最後にドアを閉めながら言った。
「鍵しっかりと閉めるんだよ」
「はい、おやすみなさい」
ドアが静かに閉まると、部屋は急に音を吸い込んだように静寂さが広がった。
抱きしめていたモンモンシューを解放し、ドアに近づく。
忘れないように閂(かんぬき)を差し込み、全てが終わるとベッドに腰掛け、ジュジュは軽く吐息を洩らした。
モンモンシューはそれを見て心配し、ジュジュの顔の前でホバリングする。
「モンモンシュー、大丈夫だから。それよりも、モンモンシューの方が私よりも大変だったわ。早くその体治さなくっちゃ。みんな、私のせいだね。私が固執してこんな事しなかったら、モンモンシューも小さくなることなかったのに」
モンモンシューは、出来る限り気丈に振るまい、キビキビと元気よく飛び回ってから、再びジュジュと向かいあった。
「小さくても大丈夫だって言いたいのね。ありがとう。でも、このままなのは絶対だめだわ。それに私、自分のやってることがわかんなくなってきちゃった。本当に私を助けてくれた人がここにいるのかしら」
モンモンシューはジュジュの肩に止まり、ジュジュの頬を舐めだした。
「モンモンシュー、くすぐったいわ。わかってる。弱気になるなってことでしょ。でも、なんだかわかんなくなってきちゃった」
つい弱音を吐いたのは、疲れていたからかもしれない。
また溜息が漏れる。
ジュジュはベッドの上に転がり、自分がいなくなった後のお城がどうなっているのか急に気になり始めた。



