それは秘密!王女の婿探しは陰謀の果てに?

 マスカートが必死になればなるほど、ジュジュは強く羽交い絞めにされてしまう。

 二人はまだ床に転がって重なりあったままだった。

 マスカートもこれがいい状態とは思ってないが、今はジュジュに見られては困るものがあるため、なりふり構ってられなかった。

「ムッカ、早く片付けてくれ」

「わかってるって。でも俺一人じゃ、無理がある。おいっ、チビ、邪魔するな、あっちいけ」

 興奮したモンモンシューがムッカに纏わりついていた。

 そこへ、カルマンとバルジも現れ、最初はジュジュとマスカートが抱き合って床に転がっている様子に唖然としたが、奥のムッカの様子を見て、事態を把握し機敏に駆け出した。

 バルジが、素早い動きでムッカの邪魔をしているモンモンシューを掴み、そして何も心配はいらないと目で知らせると、じたばたしていたモンモンシューの動きが鈍くなり、次第に落ち着きだした。

 バルジが解放してやると、モンモンシューは困惑してただ宙に浮くまま、目の前のものを見て首を傾げていた。

 三人はテキパキと暗い部屋の奥で何かを片付け、それぞれ分担してそれらを担ぐと、マスカートに視線を向けた。

 それと同時に、マスカートはさらに強くジュジュの頭を自分の胸に押し付けた。

 その隙に、部屋の奥から何かを持った三人は素早くどこかへ行ってしまった。

 危機を脱したかのように、マスカートはとりあえずほっと一息ついて、やっとジュジュを自由にした。

「すまなかった、ジュジュ。大丈夫かい?」

 ジュジュはすぐさまマスカートから離れ、そしてモンモンシューを呼び寄せて抱きしめた。

「一体、何だったんですか?」

 納得のいく説明が欲しいとジュジュは責め立てた目をして見つめた。