天空に突き出るように聳(そび)えるその国には、大きなお城が高貴なバラのごとく美しく建っていた。

 選ばれたものしか住めない特別な国。

 しかし、今日は盛大に各地からお祝いしようと人が詰め掛けている。

 その中でも特に、念入りに着飾って、沢山のプレゼントを抱えた男達が目立っていた。

 ある者は馬車一杯に野菜や果物を入れて運び、ある者は羊や牛などの動物を引き連れて、ある者は花、家具、その他、自分が用意できるありったけのものをこの王国に持ち運んできているものも居た。

 ひっきりなしにやってくる訪問客の対応に、城の中の者達は大わらわ。

 なぜなら、この日、ジュネッタージュ王女の16歳の誕生日を迎え、盛大なパーティが催されるからである。