「なー、お前さ、好きな食べ物何?」

「……………唐揚げ」

「もっと女子っぽい答えねーの?
例えばショートケーキ!とか、クッキー!とか。」

「だって唐揚げ好きなんだもん。」




さっきからコイツの質問攻め。





私、暇じゃないんだけどなぁ。






帰って佐藤先生の授業の復習しなきゃ。






それで、佐藤先生に褒めてもらうんだ。






「知里はさ、好きな人とかいる?」






唐突すぎて咳き込んだ。





「ゲホッゲホッ あんたさ、もっとこう言い方ないの?
タイミングとかさ、なんも考えないよね」

「……考えてるよ」

「はい?」

「なんでもねーよ。
いるのかいないのか知りたかっただけ。」



ここで先生って言っても誤解を生むだけだからなぁ。




「いないよ。」





今はそう言っておいた。





「そうか。じゃあ、俺こっちだから。」

「わかった。ばいばーい」

「ま、またなっ」







勝手なヤツ。




翔太、本当に何考えてるかわかんない…