始業のチャイムが鳴った。



先生が教室のドアを開ける。



学級代表が号令をする前に私は席を立つ。



「おはようございます、佐藤先生。」



「おはよ、木下さん。」



そして着席。



学級代表が号令をかけてもう1度先生に挨拶をする。




これが私の日課だった。



この生活を続けて数ヶ月。




クラスの誰もこの光景を不思議とは思わなくなった。




佐藤先生こと佐藤大貴くんは私の片思いの相手。





まだ誰にも言ったことはないが、実は私たちは幼なじみ。




家が隣どうしだった。




でも、私が3歳のとき、私が引っ越してしまったせいで関わりがなくなった。




そのときはまだ、仲のいいお兄ちゃんって感じだった。




それから12年、私の中学卒業を期にまた戻ってきた。




元の家は買い手がいなくてまた同じ家に帰ってきたのだが、なんと隣にはまだ大貴くんがいた。






それもなんと、私が入学した高校の先生となって。