週明けのランチタイム。
いつもの三人で、いつもの店に向かう。
パスタランチを頼んで、早々に宮崎さんが言う。
「それなら、希海ちゃんが付いて行けばいいじゃないの」
宮崎さんがあっさりという。
「まあ、あの石頭を説得するなら、それしかないわな」
国崎君も続く。
彼は、上司に対して多少打ち解けて来て、こんな軽口も叩くようになっていた。
「そうだね……」やっぱりそうか。
国崎君が顔を近づけてきた。
「お前、まさか外国に行くと、うちの会社のプリンが食べられなくなるとか、そういうしょうもない理由で課長について行くの拒否してるんじゃないよな?」
「えっと……」
やっぱり、それって私のわがまま?
外国なんて、無理。
あり得ない。
それに、私の能力じゃ一度「エビスヤ」を離れたら、戻ってこられないかもしれない。


