あ甘い恋は、ふわっと美味しく召し上がれ

「あのなあ、お前なんで、そんなことしたのかよく考えてみろよ」

「それが……分からないんです。自然にそうしてしまって」

「それなら、お前、どういうつもりで営業部の事調べようと思ったんだよ」

「人工知能で能力や適性を図るときに、個人の情報に不備があったら正確な結果を出すことが出来ないって思って」

「それで?」

「システムの信頼性を守るために」
天野君の誘いに乗ってしまったんじゃなくて、彼から情報を得ようと思ってたんだ。


「ほら見ろ。ちゃんと考えて行動してるじゃないか。だったら、そのまま藤原に報告すればいいじゃないか」

「どう思う?月島さんなら、こんな報告受けたらどう思いますか?」

「ムカつくだろうな。なんですぐに自分のところに相談に来ないんだって、いつもそう言ってただろう?関係ないところに相談に行って、信用してないのかって思うな」

「だって……」

「言わなくていい、バカ。何年一緒に仕事してると思ってるんだよ。お前の考えてることくらいお見通しだ。でもなあ、ちょっと、腑に落ちないんだけど」

「何ですか?」

「お前、その情報どうやって手に入れた?営業部にそんなに親しいやついたのか?」
その辺は、穏便に。追求しないでください。

「えっと。たまたま情報を得ることが出来て。ラッキーだったんです」

「俺は、そんなことまで気にしないけど。そんな理由じゃ。あいつは納得せんぞ」

「はい」