「ごめんね呼び立てして」私は、天野君に頭を下げる。
「いいけど、どういうこと?」
私は、天野君をもう一度、同じコーヒーショップに呼び出した。
彼には、調査票がどんなふうに書き込まれていったのか知りたいといった。
「何でそんなこと聞くの?」
「自己申告されてる内容と、実際にアンケートに書いてもらった内容と照らし合わせてみたいの。出来れば、あなた以外にも数人分」
「何で、今さら?調べてどうするんだよ」
彼は、めんどくさそうにいう。
「中身までは言えないの。ちょっと、調べたいことがあるだけ。気にしないで欲しいの」
「気にしないでだって?それなら、どうして他人の情報まで欲しいの?」
他の営業の人のサンプルも欲しいだなんて。変だろ」
「だから、あくまでも参考にしたいって」
「嘘だね。なんかあったんだろ?」
「いいえ。だから、まだ、何とも言えない」
「まあいいや。今度のことは。いいよ。協力してやるから、もう少し付き合って」
「もう少しって、何かするの?」


